出版社内容情報
人気も知名度も抜群の奇妙な鳥,ペンギン.泳ぎかた,食べかたなど,その生態も不思議だらけだ.それらは,どうやって明らかになったのか.凍てつく海で小型ボートに乗って,群れを追いかける.小型発信機をつけて潜ってもらう.識別のために毛染めする.研究者たちの試行錯
内容説明
人気も知名度も抜群の奇妙な鳥、ペンギン。泳ぎかた、食べかたなど、その生態は不思議だらけだ。凍てつく海で小型ボートに乗って、群れを追いかける。小型発信器をつけて潜ってもらう。識別のために毛染めする。研究者たちの試行錯誤と喜怒哀楽を通して、ペンギン研究の最前線を紹介する。
目次
プロローグ ペンギンにたどりつく
1 捕まえかた
2 泳ぎかた
3 食べかた
4 旅のしかた
5 見分けかた
6 暮らしかた
7 見守りかた
著者等紹介
上田一生[ウエダカズオキ]
1954年、東京生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。ペンギン会議研究員、目黒学院高等学校教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
194
これまでに、ありそうで、なかったペンギン学の入門書。「泳ぎかた」、「食べかた」、「暮らしかた」など、網羅的にペンギン研究の過去と今とを語る。本書によれば、現在、ペンギンは18種しかいないらしい。大半は南極海とその周辺にいるが、よく知られたフンボルト・ペンギンのような例外も。残念なのは、写真が極めて少ないこと。もっとカラー写真が豊富であれば、私たち読者も、よりペンギンに愛着を持てたのではないかと惜しまれる。著者は巻末の略歴によれば、史学科卒。アマチュア出身でも、ここまでになれるとすれば、これも驚異だ。2014/11/07
dowalf
17
高校教師でペンギン保全学者の著者による一冊。ペンギン研究者達が、ペンギンの生活を明らかにするためにどのような努力をしてきたのか、そしてその結果何が分かってきたのかが紹介されています。小型記録装置を個体に取り付けるバイオロギングは聞いたことがあったのですが、流体力学の視点からペンギンの泳ぎ方を解析しているとは、ペンギン学、深し!けれど、やはり忘れられないのはフィールドワーク。ペンギンの巣に腕を突っ込み、現地で失敗を重ねつつ保全に取り組む…自然科学全てに通じる姿を見た思いです。2016/01/30
calaf
14
ペンギンって、森の中に住むものもいるのですね。そして、無茶苦茶に大食いなんだ〜! (笑)2011/12/08
ビシャカナ
8
ペンギンに魅せられた研究者たちの工夫を凝らして、どうにかしてやろうという悪戦苦闘の積み重ね、そこから分かったペンギンの意外な姿。人とペンギンがこの世界でどう生きているのか。ペンギン学の奥深さを感じることができる。ペンギン研究者である著者の、同じ研究者へのシンパシーや、ペンギンへの愛情を感じる文章がいい。2014/06/15
やん
7
気軽に読める内容で本のデザインもお洒落。筆者のペンギン好きが非常によく伝わってくる楽しい読書だった。ペンギンは「飛べないから逃げられない、怖くないから捕まえやすい、弱くないから研究しやすい」。私も南極に行ってペンギン特にジェンツーペンギンを観察したい。南半球に住んでペンギンを研究したい。せめて水族館や動物園のペンギンに会いに行きたい。コロナ禍でそうそう船旅や飛行機の旅もままならない今、研究者たちはどう過ごしているのか。2020/10/30