創元推理文庫
ジョン・ランプリエールの辞書〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 470p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488202040
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ジョンの祖先が残した東インド会社にまつわる不可解な合意書。航行中に消息を絶った帆船の謎。そこに秘められた意味を彼に示唆した不遇の事務員ジョージまでもが、長年の宿願の成就を目前にして殺害された。すべての事件の原因は自分にあると思い悩むジョンは、固有名詞辞書執筆に没頭するが…。世界の読書人を驚嘆させた大バロック歴史小説。壮大な謎の真実がついに明らかに。サマセット・モーム賞受賞作。

著者等紹介

青木純子[アオキジュンコ]
1954年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆーかり

21
ジョン・ランプリエールは実在の古典学者。日本での知名度は低いが、この人の辞書を詩人キーツは全部暗唱できる程愛読していたとか。他にも実在の(あまり馴染みのない)人物が多々登場するが、ギリシャ神話やら東インド会社やらインドの殺し屋やら話が込み入り過ぎて読むのが大変。ラロシェルの包囲戦もよく知らないし。父親が神話に擬えて殺され、謎や冒険が繰り広げられる…と言うと面白そうなのだけど、もう少しすっきり出来なかったかなぁ。セプティマスはなぜ火を怖がったの?そっくりな人物は誰だったの?黒焦げの天使とは関係なかったの?2020/05/20

鐵太郎

15
お話は、気弱で強度の近眼で本の虫である少年が、眼鏡をあつらえてもらって世界が広がるところから始まります。神話の世界と現実が入り乱れる少年時代のなかで、父親が死にます。それも、ディアナの水浴を見てしまったアクタイオンのエピソードそのままに、近所の少女の水浴をつい見てしまったその瞬間に猟犬によって噛み殺されましたのです。物語の各章、「カエサリア」、「ロンドン」、「パリ」、「ラ・ロシェル」と、それぞれの地で起きる事件と過去の陰謀の歴史を積み上げ、最後に荒唐無稽な面白い大団円になだれ込みます。すごいね、これ。2007/05/10

ネムル

9
思った以上にツボらない。メガ志向や物語物語した物語への興味が日に日に薄れているのを、あらためて実感した。2017/11/17

秋良

6
上質な世界観をストーリーが残念にする、FF15と同じパターンになってしまった気がする。黒焦げ天使と自称友人の正体が何だったのか、こんだけ引っ張っといて明かさないのは無しでしょう!2017/10/12

Susumu Kobayashi

4
協力者ジョージ・ペッパードを失ったジョン・ランプリエールは徐々に核心に近づいていく。ジョンばかりでなく、いくつもの話の筋が並行して進行し、複雑きわまりない。ジョンがテムズ川地下の地下道に連行されて、〈カバラ〉の構成員から真相を知るジョン。以後、結末までは怒濤の展開で、正直、消化不良気味になった。蛇足だが、『ジョン・ランプリエールの辞書』というよりも『ジョン・ランプリエールの事典』とすべきではなかったかと、疑問が残る。2017/08/10

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