内容説明
何處やらに寉の聲きく霞かな―明治二〇年、信州伊那で果てた放浪俳人・井月。井月は幕末維新の乱世を、酒の入った瓢箪と杖以外は生涯無一物に徹して、芭蕉を崇拝し、風狂に生き、風狂に死んだ。その生い立ちはいかなるものだったのか?どこから来て、どのような生活をしていたのか?戊辰戦争や明治維新の荒波にどう身を処してきたのか?野垂れ死にした「ほかいびと」の歴史的真実、風狂に生き、風狂に死んだ俳諧師の文学的真実に迫る。
目次
序章 井月風狂に死す
第1章 ほかいびと井月―放浪の系譜(放浪の系譜;瓢箪と杖―空也 ほか)
第2章 井月の句の世界(ほかいびと―寿ぎの歌・悲しみの歌;井月の句の世界 ほか)
第3章 井月の俳論―雅と俗と月並(挨拶と月並;雅と俗―井月は俳句をどう考えていたのか?)
第4章 伊那の井月(放浪の俳人井月の境涯;伊那気質と風土を巡る ほか)
第5章 井月の出自と思想を探る(長岡で井月を追う;幕末の俳人たち ほか)
第6章 水戸の尊王思想と井月(水戸に井月を追う;水戸天狗党 ほか)
第7章 二人の亡命者―井月と霞松(それぞれの亡命者;二人の沈黙 ほか)
第8章 井月と伊那の夜明け前(裏切られた明治維新;井月と秩父困民党)
終章 井月の死
著者等紹介
北村皆雄[キタムラミナオ]
1942年長野県伊那市生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒。映画監督。映像人類学・民俗学を標榜してアジアをフィールドに作品を作る。早稲田大学琉球・沖縄研究所招聘研究員、立正大学講師。井上井月顕彰会理事、ヴィジュアルフォークロア代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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