内容説明
妊娠や出産、育児は決して「自然の営み」ではない。育児負担の歪みがもたらす少子社会、出産の医療化の果ての産科医不足、テクノロジーが揺るがす生命観・家族観、生殖や再生産労働の商品化がひろげるグローバルな格差。フェミニズムの試金石でもありつづける〈母性〉=近代の性と生殖をめぐる危機の現在を見渡す論集。
目次
1 母性の政治学
2 出産/避妊/中絶の近代
3 子育てにおける女性の葛藤
増補編1 お産の近代
増補編2 リプロダクティブ・フリーダム
増補編3 生殖技術
著者等紹介
江原由美子[エハラユミコ]
1952‐。首都大学東京大学院教授。社会学、女性学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みか
6
第1部では、「母性」という言葉がどのような社会背景のもとで形成・使用されてきたのかを考察。第2部では、明治から現代まで「子どもを産む」という女性の営みとそれに関わる社会的条件や環境が、どのように変化してきたのかを考察しています。収録論文の中で、宮坂靖子「「お産」の社会史」が面白かったです。産婆の変遷、堕胎・間引きから避妊法の普及まで、出産の歴史を明らかにしています。ブログに要点をまとめました。 https://mikafone.blogspot.com/2011/02/blog-post.html2011/02/14
かじやん0514
1
読んでよかった。確かにデータは古いのかもしれないけど、現代的論点が多く見受けられたのに考えさせられた。生殖技術の進展も、家族に関る古い価値観を帰るものではないという指摘にはハッとさせられた。2011/02/13
ripurou
0
去年出た増補版なのですが、大方が10年以上前のデータ&原稿。新しい部分もわずかだし、変化してる部分の多い内容なだけに、ちょっと騙された感があるなぁ。古すぎます。2010/08/09