内容説明
国民統合が進展する一九世紀フランスで、地域に生きる人びとは「政治」とどう関わっていたのか。ナポレオン復活の「うわさ」にあらわれた集合的想像力、一八五一年蜂起における民衆意識、国民祭典におけるローカル/ナショナルのせめぎ合い―東部のオーブ県、南部のヴァール県に残された文書史料を読み解き、農民たち自身が「政治」を主体的に生き、自らのものとしていくさまを描く。社会史研究と文化史学が交錯する「政治文化論」の到達点。
目次
第1部 噂と政治的想像界(一九世紀フランスにおける噂のダイナミクス;ルイ一八世治下のナポレオンに関する噂―シャンパーニュ地方オーブ県を中心に)
第2部 蜂起と農村民衆の「政治」(バス=プロヴァンス地方ヴァール県における一八五一年蜂起の展開;山岳派秘密結社と一八五一年蜂起の「組織性」;一八五一年蜂起の意識形態)
第3部 祝祭と「国民化」(第二帝政下の「国民祭」―シャンパーニュ地方の事例から;一九世紀末第三共和政下の共和主義的祝祭)
著者等紹介
工藤光一[クドウコウイチ]
1958年、茨城県土浦市生まれ。フランス近代史専攻。1983年、東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科(西洋史学専攻)に進学。1989‐1992年、フランス政府給費留学生としてパリ第一大学に留学。1993年、東京大学大学院博士課程単位取得退学。成蹊大学講師を経て、1995年より東京外国語大学にて教鞭を執る。2015年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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