出版社内容情報
見開かれた目、きつく結んだ唇。歌舞伎役者たちの魅力を描いた絵師、東洲斎写楽。「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」をはじめとする役者の表情を切り取った大首絵。躍動感あふれる役者の全身像や、相撲絵や武者絵。天才絵師として形容される写楽を、当時の浮世絵出版の流れや、北斎や歌麿などの同時代の絵師との比較、版元・蔦屋重三郎との関係など、幅広い視点で見つめ直し、次世代への影響や最新の研究についても解説する決定版。
内容説明
見開かれた目、きつく結んだ唇。歌舞伎役者たちの魅力を描いた絵師、東洲斎写楽。「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」をはじめとする役者の表情を切り取った大首絵。「紅葉狩」などの躍動感あふれる名場面を写した役者絵。そのほか相撲絵や武者絵など、舞台に立つ者たちを大胆に描いて江戸の民を魅了した。版元・蔦屋重三郎との関係や、北斎や歌麿など同時代の絵師たちとの画風の比較、次世代への影響や最新の研究についても理解できる決定版。
目次
第1章 写楽の先駆者たち
第2章 写楽の時代
第3章 雲母摺の大首絵
第4章 顔と表情
第5章 立姿の役者絵
第6章 追善絵・相撲絵・武者絵
第7章 蔦屋重三郎と写楽
著者等紹介
渡邉晃[ワタナベアキラ]
1976年東京都生まれ。太田記念美術館上席学芸員。筑波大学大学院博士課程芸術学研究科修了。博士(芸術学)。江戸時代を中心とする浮世絵史、出版文化を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫
2
2025年、最初の読了本であります。大河ドラマ『べらぼう』の終盤の山場(の予定)ということでおそらく出版された東洲斎写楽の予習本。写楽の最新研究はどうなってんの?……と勉強するつもりで購入したものの、初めて写楽に接する読者向けに基本的な知識と作品の解説を穏やかに紹介した入門書でした。写楽の正体に関する話題は2ページと4行ぐらい。当たり障りのない内容ですが、写楽を特別な存在として扱わず、役者絵の流行の中で写楽の登場を解釈し、等身大の一人の浮世絵師として写楽を論じようとする姿勢は最近の傾向でしょうか。星4つ。2025/01/01