出版社内容情報
『三国志演義』の原点である正史『三国志』をひもとき,史実のなかに英雄たちの真の姿を読む.正史と『演義』の両方を訳し,平明な語り口に定評のある著者が歴史の醍醐味と物語のおもしろさを存分に語る.
内容説明
三国蜀に生まれた陳寿の手になる正史『三国志』は、書かれた当時から高く評価され、「近世の嘉史」とも称された。この正史をひもとき、乱世の三英雄、曹操・劉備・孫権それぞれの伝記の史実のなかに、英雄たちの真の姿を読む。『三国志』と『三国志演義』の両方を訳し、平明な語り口に定評のある著者が歴史の醍醐味と物語のおもしろさを存分に語る。
目次
第1回 正史『三国志』と陳寿の伝記(『三国志』の時代;正史『三国志』 ほか)
第2回 「魏書」―“武帝紀”を中心に(紀伝体の書き出し;裴松之の注を読む ほか)
第3回 「蜀書」―“先主伝”“諸葛亮伝”を中心に(劉備の出自;関羽との出会い ほか)
第4回 「呉書」―“呉主伝”“周瑜・魯粛・呂蒙伝”を中心に(父、孫堅;兄、孫策 ほか)
著者等紹介
井波律子[イナミリツコ]
1944年富山県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。金沢大学教養部教授を経て、国際日本文化研究センター教授。専門は中国文学
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感想・レビュー
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ZEPPELIN
3
初めて三国志を読む人のために、内容を4回に分けて紹介。第一回は全体の大雑把な紹介で、当然ながら流れも速い。董卓は登場した次のページで死ぬし、孫策なんて登場した次の行で殺される。残りの3回は三国それぞれの紹介で、正史と演義の差異が面白く、魏書では赤壁の大敗がほぼなかったことにされている等々。また、別に酷いことをしていなくても悪者にされる曹操と、緊急時には平気で妻子を捨てるのに善人扱いの劉備。分かってはいても、これは曹操が可哀想。呉があまり目立たないのは相変わらず2015/02/02
ユキ@うろちょろ
0
セミナーの講義内容を単行本化。語り掛けるような口語。三国志の時代や人物に注目して詳しい。入門としては分かりやすく読みやすい。初心者向けに順を追って大筋を解説している。