出版社内容情報
古代オリエントに誕生し,人間の歴史にはかり知れない影響をおよぼした壮大な物語の殿堂が,現代の日本語によみがえる.宇宙の創成,民族千年の興亡,終末観に閉ざされた社会と文化,愛のよろこびに震える魂の歌-ここにはすべてがある.旧約聖書学の進展を踏まえ,最前線に立つ気鋭の訳者陣が渾身の力で取り組む,画期的な新訳.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
82
物語の進み具合の勢いが凄かったです。ダビデ王の晩年からソロモン王の時代を経て、分裂していく王国。王国の滅びの歴史とでも言うべきでしょうか。戦記という捉え方もできると思います。そこには「ヤハウェ信仰」から離反した姿が顕著に見て取れました。それは愚かな権力抗争の繰り返しが預言されているような気がします。2017/03/24
きゃんたか
21
当初こそ知恵者の誉れ篤いソロモンであったが、女色と権力の三昧境はいつしか王位の腐敗をもたらし、レハブアムの悪政に至って王国は南北に分裂してしまう。内憂外患が絶えない中、在りし日の王の光輝と入れ替わるようにして預言者のカリスマが興る。本書の白眉は何と言っても伝説の預言者エリヤ。偶像の無能を暴き出しても変わらないイスラエルの現実、却ってエリヤを死に追い込もうと企む凄惨な国家暴力、孤独の逃避行の末に囁かれた主の微かな声。"私はイスラエルに七千人を残す。これは皆、バアルに跪かず、これに口づけしなかった者である。"2017/11/17
ゆうきなかもと
9
違う出版社のを読んだが… なんだか激しく悲劇的な最後だった。2018/08/11
讃壽鐵朗
4
戦記と言っていい本。バビロンの捕囚の話が実際に出てくる。2015/09/02
algae
0
町から少年たちが出て来て彼を嘲り、彼に向かって言った、「はげ頭、上がって来い。はげ頭、上がって来い」エリシャは振り向いて彼らを睨み付け、ヤハウェの名によって彼らを呪った。すると森の中から二頭の熊が現れ、子供たちのうちの四十二人を引き裂いた。 彡⌒ミ (´・ω・`)また髪(神)の話してる2015/09/01