マスコミは何を伝えないか―メディア社会の賢い生き方

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000248099
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C0036

内容説明

誤報、やらせ、報道被害…。マスコミは「真実」を伝えているのか?そんな不信が、かつてないほど高まっている。でも批判だけでは何も変わらない。マスコミと市民メディア双方の場で活躍する著者が、報道の仕組みやその問題点を具体的に検証。報道被害者などとの対談も交じえ、マスコミを含むメディアとの賢い付き合い方を探る。

目次

第1章 報道被害はなぜなくならないのか?―悪意なき「見えざる手」(日常的なアンバランス報道;あいまい報道がもたらすもの;誤報発生にもメカニズムがある;取材しただけでも加害に)
第2章 マスコミ自身による解決の道―「修復的報道」という提案(火に油を注ぐ報道は何も生まない―「対立報道」を修復的に;矢面に立つ人からも傾聴を―「批判報道」を修復的に;元気回復の後押しを―“悲劇報道”を修復的に;タブーのままでよいのか―“皇室報道”さえも修復的に)
第3章 自らが発信する時代へ―新たな担い手「市民メディア」とは何か?(市民メディアとマスコミはどう違うのか?;市民メディアだからこそできること―実際の作品から)
第4章 メディア社会を賢く生きるために―メディア・リテラシーを養う(メディア・リテラシーはなぜ必要か?;受信力を養う;発信力を養う)

著者等紹介

下村健一[シモムラケンイチ]
1960年生まれ。東京大学法学部政治コース卒業。1985年TBS入社、報道局アナウンス班に所属。現場取材、リポーター、キャスターとして『スペースJ』『ビッグモーニング』などで活躍。1999年TBS退社。現在、TBSテレビ『みのもんたのサタデーずばッと』内の「ずばッとリポート」の取材キャスターとして活躍する一方、市民グループや学生、子どもたちなどのメディア制作を支援する市民メディア・アドバイザーとして活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

AICHAN

36
図書館本。著者はTBSに勤めていた現役のフリージャーナリスト。マスコミの限界、市民自らが情報収集と発信を行う市民メディアの将来性について綴る。こんなに良心的なジャーナリストが日本にいることに安堵した(ホント)。インターネット時代の情報の洪水の中では、「無意識に想像力のスイッチがオフになってしまう」という指摘はもっともだと思った。例えばウィキペディア。あれは個々のことについて誰かが執筆・加筆しているページだ。それがあたかも百科事典の如く信用されているのは怖いことだ。2018/04/10

けんとまん1007

29
伝えないか・・・の言葉の意味するものが何か。これは、マスコミに限らないことだと思う。自分自身の日常にも、当たり前にあること。ここに書かれていることを、実際、どうできるかが大切。基本は、痛いことを聴く耳があるか、言えるか。2019/05/23

白義

19
詰まるところ、どんな仕事にも付きまとう疲れや感覚の自動化と、プロの業界人に限らずもはやネット含めたメディアで発言することの、編集の不可避性なんだな、と感じながら最初の報道被害の章を読んだ。メッセージをきちんと伝えるためには、どこかで必ず作為的編集がいる。どころか、よき報道のためにはそれは不可避ですらある。悪意も陰謀もなく、ある面では原理的に、メディアとは加害性があるものだ。著者はそれに対する処方箋として、修復的報道やオルタナティブな市民メディア、リテラシー教育のあり方を提言している2012/07/29

yoneyama

7
著者は少し上の世代でずっと報道に携わり、マスコミの存在ゆえの害という最も難解で重要な問題を、誠実に問いかける。30年この世界でやってきて、どこかの現場で間違いなくあっているだろう。こんな世界はコリゴリだと思っている私と違い、どこまでも一生懸命取り組んでいる。2010年と、少し前の本ですが、この問題を真剣に考える人は数を減らしているかもしれない。マスコミの現場は常に若者が投入され続け、現場を離れた元取材者は、何か別の事に囚われていく。大手では、ずっと現場にいる取材者は少ない。だが今後は変わるだろう。2021/01/09

ののまる

7
よりよく生きる市民を育成し、社会の活性化に繋げていくこと。自己の座標軸を見極め自己と向かい合う力を身につける。メディアに囲まれたこの社会で、生きていく力をどう養っていくか。民主主義がお題目だけではなくて、本当に機能するために。 …というところに共感。2014/04/17

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