内容説明
小泉、安倍政権で推進された構造改革は、戦後政治の枠組みを大きく変容させた。企業と富裕者の減税、規制緩和、民営化は強者の自由を解放する一方、平等化を阻害する。こうしたポスト戦後政治に対抗し、人間の尊厳を守るにはどうしたらよいのか。政治理念、政策枠組み、政党のあり方を根本から問い直す著者最新の論集。
目次
序 ポスト・デモクラシーとポスト戦後政治
1 九〇年代政治再編における左派の蹉跌
3 党改革の政治学
3 アカデミック・ジャーナリストとしての丸山眞男
4 右派論壇の不毛
5 統治機構の改革は政党政治をどう変えたか
6 改革政治の変容
7 平等をめぐる民意
結 二〇〇七参議院選挙の意味と政治の行方
著者等紹介
山口二郎[ヤマグチジロウ]
1958年岡山市生まれ。東京大学法学部卒。現在、北海道大学大学院教授。専攻は行政学・政治学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sankichineko
9
子供の頃ニュースを見てもあまり理解出来なかった昭和の政治のゴタゴタが、少し理解出来たようです。 時間をおいて再読予定。2023/01/21
ハンギ
0
まだ民主党が政権交代をしていない時期に書かれた本。戦後政治を超えるものとして、二大政党である、新自由主義の自民党と社会民主主義の民主党との対立、バランスの均衡が新しい政治の基軸になると分析している。最近はよくわからないが、もともとは民主党は社会民主主義、つまり市民に目を向けた政治を標榜していて、著者の山口二郎さんも結党に参加されたようだ。小沢やほかの自民党から来た人を取り込むにつれて市場主義の人も増えたそうだ。官僚主義を打破するために、市民主義と市場主義はある時期まで手を握っていたというのは面白かった。2012/09/28