目次
1 前史
2 コスモロジーの基盤整備
3 最大の反省事項としてのイデア論―『パルメニデス』で何が行なわれたのか
4 新たなる出発―『テアイテトス』(第一部)を読み解く
5 コスモロジーへの集成(講義ノートより)
6 後史―アリストテレスによる批判とその後(講義ノートより)
著者等紹介
藤澤令夫[フジサワノリオ]
1925年6月14日‐2004年2月28日。1951年京都大学文学部卒。元京都大学名誉教授。専攻はギリシア哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ニッポニテス的遍歴
2
☆=4/5 プラトン哲学の誤解されやすい点を丹念に読み解き、彼の描く世界観がそれほど非自然主義的で突飛な物ではない事が示されている。 要点は一つ、宇宙の変化の動因が物質であると考えた場合その世界観は破綻するという事。「他からの働きかけがない限り動かない」物質だけがずらっと並んだ宇宙には何の変化も生じない。よって「自らを動かすもの=自己駆動者」たるプシュケーが必要だ、と。「自らを動かす物」がプシュケーの定義なので、それを必ずしも霊魂と捉える必要はなく、物理学におけるエネルギーと類比的との指摘も。 2020/10/22