フィリピンと対日戦犯裁判―1945‐1953年

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  • サイズ A5判/ページ数 435,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000246545
  • NDC分類 329.67
  • Cコード C3021

出版社内容情報

日本の敗戦からモンテンルパのBC級戦犯全員が釈放された1953年までの8年間、アジア・太平洋戦争をめぐって日比両国は何を考え、どのように向き合ったのか。戦後日比関係の出発点となった対日戦犯裁判のプロセスをたどる。

内容説明

フィリピンにおける日本軍の残虐行為の捜査が本格化した一九四五年から、国交が回復されない中、モンテンルパのBC級戦犯全員が釈放された一九五三年までの八年間、アジア・太平洋戦争をめぐって日比両国は何を考え、どのように向き合ったのか。膨大な一次資料とインタビューに基づいて、戦後日比関係の出発点となった対日戦犯裁判のプロセスを明らかにし、その歴史的な意味を再考する。

目次

第1章 日本軍による残虐行為の衝撃―高まるフィリピンの対日告発の機運(ワシントンの戦争犯罪局;フィリピン戦線での捜査活動;フィリピン人の怒りの原像)
第2章 「敗者の裁き」という隘路―敗戦直後の日本側戦犯政策とフィリピン問題(東久迩宮内閣の戦犯政策;政権交代と幣原内閣の立場;本間雅晴中将の処罰問題;「敗者の裁き」の幕引き)
第3章 フィリピンから見た東京裁判―被占領体験を伝え、忘却に抗する(フィリピンの参加経緯と判検事;ロペス検事の来日と初期行動;東京裁判の判決とフィリピン)
第4章 フィリピン軍による戦犯裁判―モンテンルパのBC級戦犯の軌跡(対日戦犯処理への着手;フィリピン軍の戦犯裁判;モンテンルパの日本人戦犯たち;戦犯釈放の政治力学)

著者等紹介

永井均[ナガイヒトシ]
1965年生まれ。立教大学文学部卒業。立教大学大学院文学研究科博士課程後期課程満期退学。博士(文学)。現在、広島市立大学広島平和研究所講師。論文に「連合国民間人抑留者の戦争」(『岩波講座アジア・太平洋戦争』第4巻、岩波書店、2006年)、「戦争犯罪人に関する政府声明案」(『年報日本現代史』第10号、2005年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

7
日本がフィリピンに及ぼした凄まじい戦争被害はどのような形で落とし前がつけられたのか?という問題には前から関心を持っていた。本書は真正面からこのテーマを取り上げた労作。同時代史料の博捜に加え、当事者へのインタビューも行われている(時期的に最後のチャンスか)。戦争犯罪に対する日比双方の認識は最後まですれ違い気味だったが、収監された戦犯たち自身が苦悩の中で自らの罪に向き合っていた事実に考えさせられる。2023/06/02

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