感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にゃん吉
0
朝日新聞の投稿欄に採用された投書集。戦争末期の、本土決戦での戦勝を期する投書(昭和20年8月15日付けで掲載された決戦に向けた投書もあり)から始まり、戦後の、食糧難、生活苦、復興への希望、若者への嘆き、封建的農村、種新旧の価値観の種々の対立。新聞と文庫の掲載のニ段階で取捨選択されているので、本書掲載の投書がこの時代の全てではないのでしょうが、物情騒然とした世相が生々しく綴られています。谷崎潤一郎、志賀直哉など著名人の投書も多いのですが、やはり、名もなき人々の声が時代の雰囲気をよく伝えています。 2019/03/08