出版社内容情報
香港に続くマカオの返還で中国は実質「一国三制度」へと移行した。台湾問題を考えるとき、それは小さなエポックではない。マカオの不可思議な政治的・文化的位置を、ポルトガル人のマカオ入港以来450年にわたる歴史と現代の課題から追う。
内容説明
香港に続くマカオの返還で中国は実質“一国三制度”へと移行する。台湾問題を考えるとき、それは決して小さなエポックではない。マカオの不可思議な政治的・文化的な位置を、歴史と現代の課題から追う。
目次
第1章 ポルトガルのアジア進出とマカオ(アフリカ南廻航路の発見;マカオの誕生と発展 ほか)
第2章 近代中国とマカオ(葡清北京条約とマカオ;マカオと孫文 ほか)
第3章 現代マカオの展開(戦時下のマカオ;中華人民共和国とマカオ ほか)
第4章 マカオ返還とマカオの可能性(返還交渉とマカオ基本法;マカオ経済の現状と将来 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天婦羅★三杯酢
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マカオについての、20世紀的総括。 香港とも微妙に違うマカオは、「1国家3体制」というべき現代中国の重要なパーツである という見解は聞くべきものがある。 にしても、返還の頃のマカオはまだマフィアの抗争事件があったというのは ちょっと怖いものがあるけど。 (今はずいぶん安全なだと思いますが)2011/08/08
ゆうろう
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2006年読了済みなるも全く思い出せず…。再読。マカオの歴史を詳細かつ平易に解説しており、なかなかの好著。特に1911年の中華民国建国後の南方政権(広州政権、広東軍政府)なるものの存在が興味深い。 P125「外交案件の現地処理は王朝時代からの中国の伝統でもあった」とは…。そうであれば、東京や北京を通さずに沖縄、台湾、福建の地方同士で尖閣の問題も平和裡に融和・解決できればなぁ、と夢想した。P41「近世・近代ヨーロッパは西欧キリスト教文明とアラブ・イスラム文明の共同作品であった」との視点にも刮目した。良書!2025/07/19