出版社内容情報
イラク政治研究をリードする著者による,フセイン政権研究の決定版となる著作.中枢を担うエリート層の実態から,国内の経済政策,民衆の人心掌握術に至るまで,最新の情報を盛り込みながら政権を支えるシステムを読み解く.
内容説明
イラク政治研究をリードする著者による、これまでのフセイン政権研究の決定版となる書。「フセイン大統領による個人支配」という側面のみに目を奪われることなく、与党バアス党による党支配の実態も視野に入れ、閣僚や国民議会議員などの政治エリート集団がどのように構成されてきたかを詳細に分析する。さらにバアス党の経済政策や、政権が「イラク・ナショナリズム」を大衆に植え付け、どのような論理で国民統合を行なおうとしているのかなど、最新の情報を盛り込み、さまざまな角度からフセイン体制を支えているシステムを解明する。
目次
第1部 政治エリートたち―バアス党、軍、官僚、そして部族(一党独裁から大統領個人崇拝へ―湾岸戦争までの政権閣僚構成;大統領親族の盛衰―湾岸戦争と経済制裁を耐える;「政治参加」の第一歩―フセイン政権下の国会議員)
第2部 はじき出された人たち―バアス党政権下の社会経済政策(地方の貧困、都市の貧困―南部農民の懊悩;怒れる若者たち―バアス党の青年動員とイスラーム運動)
イラクであること、アラブであること―フセイン政権の国民統合論理
著者等紹介
酒井啓子[サカイケイコ]
1959年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。英ダーラム大学(中東イスラーム研究センター)修士。現在、アジア経済研究所主任研究員。専攻はイラク政治研究
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