内容説明
深刻の度合いを増す地球温暖化現象。日本の気候変動政策、またエネルギー価格高騰の時代に向けた経済政策は今のままでよいのか。著者は、積極的に環境経済政策を推進する欧州諸国や、近年の米国、豪州などの動向を詳しく調べ上げたうえで、政府や企業をはじめとする日本社会の気候変動への対応を厳しく批判し、対応の遅れについて警鐘を鳴らす。環境の改善・維持と経済の発展を統合し、経済が発展すればするほど環境が改善し、逆に環境改善が進むと経済へも好影響を与えるような、安定的で持続可能な社会を作り上げる必要性を説く。経済合理的な気候変動政策の選択、革新的技術や新たなビジネスモデルの開発やライフスタイルの創造、現在の社会経済システムの改編こそが、日本が生き残れるほとんど唯一の道であることを明らかにする。環境経済の核心を鋭く衝く問題提起の書。
目次
第1章 地球温暖化の進行と欧州の新たな環境経済戦略(世界の研究者が警告する未来;スターン・レビューの衝撃;変わり始めた世界の気候変動政策)
第2章 日本企業の温暖化防止対策の現状と環境政策の課題(日本の温暖化対策と危機的状況にある京都議定書目標の達成;進まない日本企業の温室効果ガス削減対策と削減行動の動機;日本企業の温室効果ガス削減費用とこれからの企業経営;京都議定書目標の達成とポスト二〇一二年へ向けた政策の基本的方向)
第3章 低炭素化時代の社会と経済(経済発展と環境保全が統合された社会の条件;新たな社会経済へ移行するための三つのポイント;低炭素化時代の環境経済戦略)
著者等紹介
一方井誠治[イッカタイセイジ]
1974年、東京大学経済学部卒業後、環境庁(現環境省)入庁。環境庁地球環境部企画課長、環境省大臣官房政策評価広報課長、財務省神戸税関長などを経て、京都大学経済研究所先端政策分析研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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