出版社内容情報
《ムサノ世》の到来,貴族から武士の時代への転換点となった保元の乱をうつした『保元物語』に焦点をあて,文学ジャンルとしての軍記物語の形成過程の考察および歴史認識の解読を通じ,その性格と方法と特質を論じる.
内容説明
本書は、軍記物語という文学ジャンルの内、慈円が“ムサノ世”の到来の起点とした保元の乱を描く『保元物語』に一つの焦点を据え、軍記物語の形成過程とその世界を考察、解読することを目指す。
目次
第1部 軍記物語への道(軍記物語の形成―『保元物語』以前;転換期の歴史意識 ほか)
第2部 『将門記』論(『将門記』の冒頭欠失部の考察;貞盛の帰郷前後と同族抗争の記事をめぐって ほか)
第3部 半井本『保元物語』論(半井本『保元物語』総説;半井本『保元物語』の性格と方法―あるいは軍記物語における構想力の検討のために ほか)
第4部 『保元物語』成立考―崇徳院讃岐遷幸関係記事をめぐって(『保元物語』の成立と展開―崇徳院讃岐遷幸関係記事をめぐって;新院讃岐遷幸関係記事の考察―離京前後 ほか)
著者等紹介
栃木孝惟[トチギヨシタダ]
1935年生まれ。1959年東京大学文学部国文学科卒業。1966年同大学院人文科学研究科国文学専攻博士課程修了。現在、清泉女子大学文学部教授。千葉大学名誉教授。中世文学専攻
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