出版社内容情報
ベトナム反戦を端緒に政治の季節が幕を切る.ラディカルな志を懐に著者は,米兵脱走支援,ベ平連,学園闘争としのいで,気がつけばまぎれもない「造反教官」に.この歳月をかくも熱く生きたもののみに可能な真摯な時代の証言!
内容説明
フランス留学から帰った著者の“パリ呆け”の頬を張るように、一九六〇年代末の政治の季節の幕が切って落とされる。大きく揺れ動く世界の風を背中に感じ、「ラディカルな志」を懐に、米兵の脱走支援、ベ平連活動、学園闘争等に著者はさまざまのスタンスで係わり踏み込み、はたと気がつけばまぎれもない「造反教官」。連帯、孤立、激しい論争、そしてこの時代の息吹をいっぱいにはらんだ内外の映画、文学、演劇など、その活況を周到に、また自在に論じる筆はまさしく練達の批評家のそれである。本書は、こうした歳月をかくも熱く生きた者のみに可能な真摯な時代の証言である。
目次
1 自閉の季節(“パリ呆け”症候群;別れ ほか)
2 若く新しい言葉(“スチューデント・パワー”、“ブラック・パワー”―ベトナム反戦の中から;“造反有理”―文化大革命 ほか)
3 ラディカルな志のスタイル(羽田闘争とその報道;由比忠之進の抗議自殺 ほか)
4 連帯と孤立(安東次男事件;東京大学一九六九年 ほか)
5 一九七〇年代初頭(三島由紀夫と高橋和巳の死;私の第一評論集 ほか)
さくらんぼうの実る頃―あとがきにかえて
著者等紹介
海老坂武[エビサカタケシ]
1934年、東京生れ。東京大学大学院(仏語・仏文学)博士課程修了。文筆家、フランス現代文学・思想専攻
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