内容説明
生前読まれることなかった“時代の先駆者”がその没後、熱狂的な読者を獲得してゆく軌跡を、19世紀フランス史の激流のなかに辿る。
目次
プロローグ 予言
第1章 「赤」と「黒」の歴史―大革命から七月革命まで(フランス革命とスタンダール;ナポレオンとスタンダール;王政復古―「黒」の時代;『赤と黒』の成立)
第2章 ブルジョワ貴族の覇権―7月革命から2月革命まで(ブルジョワ王政の時代;ビュシエールの『スタンダール論』―大いなる逆説家;7月王政下のパリ)
第3章 フランス最後の宮廷―第2帝政(華のパリ;レアリスム論争;エルム・カロの『スタンダール論』―大罪人ジュリアン;テーヌの『スタンダール論』―優れた精神)
第4章 パリ庶民の叙事詩―第三共和国と自然主義(ジャーナリスト=ゾラ;『居酒屋』まで;ゾラの『スタンダール論』―形而上的青年)
第5章 英雄待望の時代―世紀末の第三共和国(ドイツの脅威;ブーランジェ将軍事件;ブールジェの『スタンダール論』―社会反逆者ジュリアン;ジュリアンの真実)
エピローグ ダンディからスノブまで