内容説明
イエスが示した、「神がはたらく場」としての、この世界―その「はたらき」の内に生きる人と社会は、何を逸脱と認め、どこに希望を見出すべきなのであろうか。新約聖書から、リアルな宗教経験を伝える地層を発掘し、そこにはたらく力のダイナミックスを精密に言葉にする。自己と他者、そして共同世界の、ありうべき原像とは何か。その鏡に映すとき、今日の生活圏はどのようにゆがんだ姿をあらわすのだろうか。イエスが生きた「神の国」を、神のはたらきの場の存在とその作用として記述し、仏教の世界観とも交差させつつ、場所論的宗教理解の地平を拓く。批判を媒介として、新しい宗教世界の展望を探ろうとする思索の結晶。
目次
プロローグ はたらく神―その解明としての場所論
第1部 神のはたらき(「神のはたらき」はどこにあるか;「神のはたらき」によって何が起こるか)
第2部 イエスと現代(まず神の国を求めよ;配慮するとはどういうことか;配慮する自我と「人の子」イエス;あなたはどこにいるのか)
エピローグ 場所論の中心にあるもの
著者等紹介
八木誠一[ヤギセイイチ]
1932年、横浜生まれ。専攻、新約聖書神学、宗教哲学。東京大学とゲッチンゲン大学で学び、東京工業大学教授、ベルン大学(スイス)客員教授、ハンブルク大学(ドイツ)客員教授、桐蔭横浜大学教授などを経て、東京工業大学名誉教授。文学博士(九州大学)、名誉神学博士(ベルン大学)。新約聖書研究から出発し、仏教との対話を媒介としつつ、宗教の本質を探る。この間、日本基督教学会理事長、東西宗教交流学会会長などを務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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