出版社内容情報
グローバル化と個人化の進んだ現代社会において,新たな力を得ている宗教.政教分離をめぐる緊張に満ちた綱引き,地域紛争,ジェンダーやエスニシティをめぐる葛藤の諸相と「宗教の挑戦」の関わりを多角的に考察する.
内容説明
科学文明の発展により衰退していくだろうとの予想に反し、宗教は、グローバル化と個人化の進んだ現在、新たな力を得ている。政教分離をめぐる緊張に満ちた綱引き、地域紛争、ジェンダーやエスニシティをめぐる葛藤を理解するために、宗教的なものへの洞察は不可欠である。現代世界における「宗教の挑戦」の諸相を多角的に考察する。
目次
宗教の挑戦 序論
1 世俗主義の限界(宗教とナショナリズム―現代インドのヒンドゥー・ナショナリズムの事例から;タイの上座仏教と公共宗教;世俗化の限界、政教分離への異論―カルト問題における公共性の課題)
2 支配と抵抗(フェミニズムと宗教;帝国主義と宗教―イスラーム世界を中心に;宗教による支配・抵抗から主体化へ―スリランカとシンガポールに見るタミル人たちの儀礼経験をめぐって)
3 多元化・個人化の中で(マイノリティの立場と宗教;誰が死者を弔うか―弔い論序説;宗教間対話―その歴史と現実および意義と限界)
読書案内 「トロイの木馬」と「クモのいないクモの巣」―拡散化する宗教
著者等紹介
島薗進[シマゾノススム]
1948年生まれ。専攻、近代日本宗教史、比較宗教運動論。東京大学大学院人文社会系研究科教授
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