出版社内容情報
小社は先年,物理学の全体像を把握し次世代への展望を拓くことを意図し,第一級の物理学者の絶大なご協力のもとに本講座を刊行しました.幸い多くの読者の厚いご支援をいただき,強く再刊を望む声が寄せられています.このご要望にお応えし,各巻に補章を加えて最新の進展を取り入れ,装丁も新たに第2次刊行を開始します.
内容説明
流転する自然のさまざまな局面は非平衡開放系であり、精妙に自己組織された多彩な運動を展開する。本書は、その散逸構造あるいはカオスがどのような形態と構造をもち、いかなる物理的プロセスをもたらすかを解説する。第1部で諸種の散逸構造を取り扱う現象論的アプローチを概説し、それらの根底にある普遍構造を取り出す縮約理論を論ずる。カオスは、偶然性を含む複雑な運動であるが、端正なアトラクターを形成し、フラクタル構造をはじめいろいろな相似性をもつ。第2部ではそのカオスの幾何学的記述と統計的記述を統合的に述べる。
目次
1 散逸構造(散逸構造の典型例;振幅方程式とその応用;反応拡散系と界面ダイナミクス;位相ダイナミクス;縮約理論の基礎)
2 カオスの構造と物理(カオスへの物理的アプローチ;散逸力学系の分岐現象;非周期運動の統計物理;カオスの分岐と臨界現象;保存系カオスの混合性と拡散)
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