出版社内容情報
ヴァティカンの大聖堂サン・ピエトロは,対抗宗教改革の聖人像と可憐な天使の像が随所に配され,人々を宗教的法悦へ導く.感覚の陶酔と圧倒的な感動によって地上と天国を結ぶ信仰の場を鋭くとらえる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
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全編モノクロームで撮影されたサン・ピエトロ。あえてカラーで撮らないのは、これが観光写真などとは違って、芸術写真であるとのマニフェストか。もっとも、それは単に標榜しただけではなく、実際に見事な写真の数々である。とりわけ彫像を撮った光と影の表現が見事で、それらは石の質感を持ちながら、同時に躍動感に溢れている。ミケランジェロのピエタもだが、例えば聖女ジュリアナや聖女ルチアなどは、おそらく実物を見る以上に敬虔な感動を与えるのである。実際、柱の上部にある彫刻などは肉眼では細部までは見えないのだろうが。2022/03/21
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6
図書館 ◆新規開拓車で20分の図書館にて。調べ物の合間にうっとり。こんなにも「何度見ても見飽きない」写真集は私にとって珍しい。これからも何度も書棚から引っ張り出して眺めちゃうことでしょう♪ ◆この写真集の面白さは、実際にその場に訪れた人の視線で見られる通りのアングルで撮影というところ。あの壮大で華麗な大建造物に飲まれることなく、光を最大限に利用し、石に刻まれた人体のふっくらした体温を、正確な直線と曲線で構成されるニッチを、そして複雑に重なるバロック装飾の真骨頂を伝えきる写真家のハートと眼はすごいとしか……2015/04/11
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3
大学図書館 ◆「聖女ヴェロニカ」のレポートを書くために、特に聖女ヴェロニカの写真を求めて参照。開いてみたら解説が若桑みどりで、これはあまりにもラッキー♪♪とウキウキ ◆ここのところサン・ピエトロ大聖堂について集中的に調べた結果、あそこは隅々までなめるように見て歩く価値があることが判明。あまりに膨大な美術品の量、あまりに広大かつ精緻な建築美ゆえ、何度か足を運ばないといかんが……次回があれば聖女ヴェロニカを隅々まで観察し、そしていつかネクロポリスの奥深く、聖ペテロの墓所にまで行ってみたいものであるなあ2013/11/19