出版社内容情報
知能の本質は記号処理にあるとする物理記号仮説派の代表としてチューリングを取り上げ、パターン認識あるいはアンチ記号派として、ロボット用の新しいアーキテクチャーを提案したブルックス、人工生命という研究分野を立ち上げたラングトン、深層学習のヒントンの三人を取り上げる。現代日本の関連分野研究者による座談会も併録。
内容説明
知能の本質は記号処理にあるとする物理記号仮説派の代表としてチューリングを取り上げ、パターン認識あるいはアンチ記号派として、ロボット用の新しいアーキテクチャーを提案したブルックス、人工生命という研究分野を立ち上げたラングトン、深層学習のヒントンの3人を取り上げる。現代日本の関連分野研究者による座談会も併録。
目次
イントロダクション
計算機械と知能
ゾウはチェスをしない
人工生命
特徴量はどこから来るのか?
座談会 人工知能研究は何をめざすか
著者等紹介
開一夫[ヒラキカズオ]
東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻、広域システム科学系教授。専門は発達認知科学
中島秀之[ナカシマヒデユキ]
札幌市立大学理事長・学長、公立はこだて未来大学名誉教授・名誉学長。専門は人工知能(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nbhd
20
すごいぜ、ロドニー・ブルックス。人工知能研究には記号推論派とコネクショニズム派という2つの流派があった。80年代末に双方ともドン詰まり状態にある中、従来の研究に疑義を唱えたのがブルックスさんの論文「象はチェスをしない」だ。超要約すると→「お前らは知能っていうのを、チェスが強い、みたいに記号操作レベルで考えてるけど、そうじゃなくね?チェスが出来なくても、生きてる時点で、知能発動してんじゃん。だから、チェスが出来なくても、象には知能がない、とは言えないよね?チェスのことばっか考えてんじゃねえよ。2024/03/16
nbhd
17
チューリングさん、ヒントンさんなど、人工知能研究におけるメルクマールとなる原論文4本をまとめた本。理解することではなく、「目を通すことに意味がある」と自分に言い聞かせながら読んでみた。まったく歯が立たなかったのだけれど。後半には、人工知能分野の研究者の座談会が掲載されていて、これまたしっちゃかめっちゃかの内容。最前線にいる人工知能研究者が集うと、議論の落とし所とか折り合いとか関係なしに、あまりに、あまりにも人間的に、粗暴に意見を投げ合うのだなぁ、ということだけがわかった。2024/03/08
月をみるもの
13
もちろんブルックスもヒントンもラングトンもみんな偉いんだけど、チューリングと並べるのはちょっと可哀想。。。最後の対談では、「なんでもいいから面白いものをつくりたい」という人と「中身をちゃんと理解したい」という人、「物理的な実装はどうでもええ」という人と「世界とのインターフェースや内蔵を含む有機身体なしで知能はありえない」という人のずれがあからさまになってて楽しい。2020/07/26
maimai
5
いまホットな分野である人工知能。そのキーワードとして深層学習、ニューラルネットワークといったように難しい言葉が並んでいますが分かりやすく説明をしています。製造、金融、社会ありとあらゆる部分に私たちの労力を削減する為に絡んでいる人工知能ですが、その人工知能の役割を知ることは重要なのではないかと考えます。いまやSFの世界に半分突入していて、昔の夢物語が現代のテクノロジーでは可能になっていると考えますが、それが吉か凶なのか…私たちはリテラシーを持ってテクノロジーを使いこなしていく為にも常に勉強なのですね…2020/08/29
kentake
2
現代社会の様々な分野で人工知能が活用され、一部では人間の能力を上回る成果を挙げている。本書では、人工知能の研究に関する古典的論文のうち四遍が収録されている。 A.チューリングの論文では、人間の知性を上回るデジタルコンピュータの可能性を巡る議論が草創期の時代を感じさせる。R.ブルックスの論文では、掃除ロボットルンバの開発過程が分かり興味深い。また、C.ラングトンの論文では、一見複雑に見える生命の動きが実はシンプルなアルゴリズムで再現可能である点が分かり面白い。G.ヒントンの論文は難解で良くわからなかった。2020/08/01
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