出版社内容情報
指を吸う.両手をあわせる.赤ちゃんの何気ない仕草に,もう,他者と関わるヒト独自のやり方が芽生えている.まなざしの交流がもたらす豊かな手の働きがさらに何を生みだしたのか,霊長類の赤ちゃんたちが教えてくれる.
内容説明
あおむけで両手の指をからみ合わせる、赤ちゃんの何気ない仕草の中に、もう、他者とかかわるヒト独自のやり方が芽生えている。ヒトはどのようにしてヒトになるのか。母と子のまなざしの交流がもたらす豊かな手のはたらきがさらに何を生みだしたのか、ヒトとヒト以外の霊長類の赤ちゃんたちが教えてくれる。
目次
1 サルの赤ちゃんを比べる
2 物のとりあつかいと道具
3 物のとりあつかいとことば
4 ことばを生みだすもの
著者等紹介
竹下秀子[タケシタヒデコ]
1957年大阪府生まれ。1980年京都大学教育学部卒業。1985年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。2000年京都大学博士(教育学)。現在、滋賀県立大学人間文化学部助教授。著書に『心とことばの初期発達―霊長類の比較行動発達学』(東京大学出版会)、『心の進化―人間性の起源をもとめて』(共著、岩波書店)、『子どもの発達と環境教育』(共著、法政出版)、『発達診断と障害児教育』(共著、青木書店)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
calaf
13
人間の赤ちゃんは、チンパンジーやオランウータン等他の霊長類の赤ちゃんと比べて、仰向けの姿勢やお座りの姿勢を早期に覚えた事が、言葉や心の発達(進化)に大きな役割を果たしたという主張。言われればそんな気もしてくるけど、どこまで本当なのか...2014/03/06
こぺたろう
12
久々の岩波科学ライブラリー。サルとヒトの比較研究から得られた結果を考察しつつ論理が展開されるのですが、イマイチピンと来ず。期待したほど面白くはなかったけど、図に登場するヒトやサルの赤ちゃんの写真はとても可愛かった。2020/01/04