内容説明
これまで長いあいだ、トロツキーとグラムシはいわば背中合わせ、もしくは遠く離れた政治思想家と見られ、両者を並べて論じることなど、論外のこととされてきた。今日、20世紀の政治および政治思想を総括するにあたって、トロツキーとグラムシの関係だけでなく、当時の政治や政治思想を含むコミンテルンや第二インターナショナルその他の見直しの一環として、こうした作業は避けて通ることのできない問題である。本書では、こうした最初の試みとして、六人の執筆者がそれぞれトロツキーとグラムシの関係を論じている。
目次
第1章 トロツキーとグラムシ―彼らの世紀と我らの世紀
第2章 トロツキーとグラムシの交差点―1923年~24年初頭の手紙を中心に
第3章 イタリア新反対派の誕生とトリアッティ、グラムシ、トロツキー―第三期論=極左戦術をめぐる対立と交差
第4章 初版『獄中ノート』からのトロツキー削除問題をめぐって
第5章 『獄中ノート』の謎とトロツキー
第6章 『獄中ノート』における「永続革命論」批判