内容説明
知覚理論に革命をもたらしたといわれる「アフォーダンスの理論」。これはいかにして生まれたのか。心理学者である妻が、夫ジェームズ・ギブソンの発見の旅路を自伝のなかに見事に描く。同時に自身が重要な貢献をなした乳幼児の知覚・発達研究がどのようにしてなされたかが豊富な逸話とともに語られる。貴重な証言が満載の遺著となった自伝。
目次
中西部での成長
心理学者になる
スミス大学での教育と生活
第二次世界大戦
文明に戻る
カユーガ湖を見下ろす
アカデメイア訪問
危機なき中年期
本のための一〇年
イサカの賢者
ひとりになる
実験室を離れてからの人生
著者等紹介
ギブソン,エレノア・J.[ギブソン,エレノアJ.][Gibson,Elenoar J.]
1910年米国イリノイ州ピオリア生まれ。スミス大学に入学し、1931年に学士号、1933年に修士号を受ける。1938年には心理学博士号をイエール大学から取得。1932年にスミス大学心理学教授で知覚研究者のジェームズ・J.ギブソン博士と結婚。その後は、夫とともにコーネル大学に移る。乳幼児の発達、とくに子どもの知覚、学習過程の研究に重要な貢献をなした。2002年没
佐々木正人[ササキマサト]
1952年生まれ。東京大学大学院情報学環教授
高橋綾[タカハシアヤ]
1999年国際基督教大学教養学部教育学科卒。現在、東京大学大学院教育学研究科博士後期課程在学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
里のフクロウ
2
心理学者の自伝である。それとは知らず心理学には全く素人が「アフォーダンス」の概念を知りたくて手にしてしまった。お門違いではあったが、エレノア・ギブソン博士は多面的な顔を有する傑出した人物であったことを知ることができた。夫婦が共に心理学者であり、両者共に革新的な理論を打ち出したパイオニアであったこと。そして2児の母でもあり、働く母のパイオニアでもあった。そんな人物の生き方と学究への姿が克明に描かれている。作中多くの人名が登場する。いかに人を大切にした生き方かを物語っていると感じた。2017/09/23
-
- 電子書籍
- 刑事ゆがみ(10) ビッグコミックス