感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
57
京都では、あのメロディとワゴン車も現役。今もその姿にお目にかかれる。先代のアイディアマンぶりは、現代流の集客のやり方を戦前から先取りしている。お互いを知らずに札幌にもロバパンが存在していたことは本書で初めて知る。あの歌はCM用ではなく童謡だったのだが、まるで自社のために作られたかのような歌に驚いた店主が、さっそくレコードを大量注文。パンの販売を通じて、全国に知られるようになったとのことだ。本当にロバ(実は木曽馬)に引かせていた時代があったとは、現在では想像もつかないが、今も京都を語るのに欠かせないと思う。2020/03/26
多喜夢
12
現在、近所で車の移動販売のパン屋さんが音楽をかけて走っている。幼少の頃、同様な形態のパン販売、ロバのパンがあったことを思い出し、図書館で拝借。本書が書かれた20年前頃までは京都で現役っだったらしい。現在はどうだろう。未舗装の道を本当にロバが屋台を引っ張ていたことを思い出す。(馬だったかもしれない)。畑や電柱に糞尿垂れ流しっだった。その実態は全国展開のチェーンストアだった。なるほど「連鎖店本部」だ。2021/11/22
robamimim
5
何となく気になって手に取った本。上の世代の方から、ロバが車を引いてパンを売っていた、紙芝居やなんかと一緒に見たと聞いたことがあった。これの事だったんだ。戦後の食糧難を乗り切るために開発された「パンの素」モータリゼーションで仕事をなくした馬に引かせた馬車。馬車なのになぜかロバと呼ばれてそのまま歌に。戦後のドタバタとはこういうものだったのかなーと眺めさせていただきました。2022/05/02
工作魂
4
これは1993年に出版されたもの。子供の頃、よく見かけた「ロバのパン」の歴史がわかる貴重な1冊。流しで売ってた時に流れていた音楽もCDでついているあたり、涙もの。