前田愛著作集 〈第6巻〉 テクストのユートピア

前田愛著作集 〈第6巻〉 テクストのユートピア

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  • サイズ A5判/ページ数 537p/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784480360069
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0395

内容説明

都市空間と交錯する文学空間に、近代文学研究の新ジャンルを確立した『都市空間のなかの文学』(第5巻)に続いて、文学作品自身の持つ空間構造を探る遺著『文学テクスト入門』は、新たなる物語論の呈示を目指す。文学理論に関連するテクスト論、記号論、身体論、ユートピア論等を併録する。

目次

空間のテクスト テクストの空間
文学テクスト入門
呼びかける言葉
禁忌と侵犯のゲシュタルト
明治23年の桃源郷―柳田国男と宮崎湖処子の『帰省』
「江山洵美是吾郷」
もうひとつの旅―『西郷隆盛紀行』について
『高野聖』―旅人のものがたり
世紀末と桃源郷―『草枕』をめぐって
宇宙論と救済
透谷の原像―「富士山遊びの記憶」の文体をめぐって
斎藤緑雨
子規における「記録」の問題
啄木における都市の発見
猫の言葉、猫の論理
深沢七郎=パロディーの問題
井上ひさし=猥褻の効用
「吉里吉里人」論
僕と鼠の記号論―二進法的世界としての『風の歌を聴け』
メニューの文法
ユートピア/逆ユートピアの解体
足の音
1970年の文学状況―古井由吉「円陣を組む女たち」をめぐって

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あなた

3
前田愛の定点をもたないあいかわらずの横断領域的な身振りに舌を巻きつつも、巻末の前田愛個人年譜を非常に興味深く読んだ。大学休学のこと、演劇活動を行っていたこと。演劇。ああ、そうなのだ。彼ほどパフォーマティブな研究者もいなかったのだ。私が出会った教授たちは誰もかもが前田との想い出を誇らしげに語った。日本文学を研究する者にとって前田愛を知らない人間なんていない。巨星だった。実際にアフロの巨漢だったのだ。巨大な象が歩いた跡のように文学/文化研究の道をひらいていった。(コメントに続く2010/07/16

てれまこし

1
テキストは読み手によっても生産されるというのは言葉の上では理解していたつもりだったが、なーるほどこういうことかと思わされた。テキストの裏にある意味世界に踏み込んでいって、それをまたテキスト化する。裏にある意味世界といっても、著者が意図して隠しておいたもんじゃない。著者が経験と思いを手にある言葉のツールで表現しようとしてし切れなかった意味をも含む。つまり、素材としての書き手の経験や想いの意味自体が読み替えの対象である。その素材が他の形でテキスト化された可能性を示すかぎりで、それは歴史の書き換えでもある。2018/05/30

こひた

0
境界性(日本では十字路、三叉路含む)。禁忌と侵犯のゲシュタルト、説明にオナニー劇場・・・いやパノプティコンより分かりやすいのは確かだけど。2015/12/17

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