儚い羊たちの祝宴

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103014720
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。

著者等紹介

米澤穂信[ヨネザワホノブ]
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第五回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。独自の視点で「青春」を描き、かつミステリとしての構築度も高い作品で定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

文庫フリーク@灯れ松明の火

246
物語を必要とする儚い者の読書会《バベルの会》が絡む旧家題材の短編5編。閉じられた世界の結末は、どれも味の有る黒さ。口約束は信用しない屋島さんの最終兵器にニヤリ『山荘秘聞』再読の『玉野五十鈴の誉れ』は、やはりお気に入り。悉く狩り尽くされた夢見る儚いアミルスタン羊。供される唇。復活するバベルの会『儚い羊たちの晩餐』じっくり考えれば猟奇的だけれど、不思議と怖さ感じず読み易い。この作品で米澤さん単行本は殆ど読んだはずだけど、つくづく引き出しの多い作家さんですね。巡り逢えてしあわせ。2011/06/19

mikea

235
短編集。story sellerで読んだ「玉野五十鈴の誉れ」が米澤さんを追いかけて読もうと思うきっかけで、これだけ久しぶりの再読。独特の重たく冷たい空気感、度々登場するバベルの会、ドキドキしながら読了。怖くて、面白かったです。玉野五十鈴のその後がどうなったのかやはり気になる。2012/01/20

くろり - しろくろりちよ

221
「フィニッシングストローク…最後の一撃」にこだわった連作集、と帯で煽られてはファンとしては読むしかないでしょう!※ネタバレ注意※些細な理由で人を殺す。動機だけでもフィニッシングストロークは秀逸。夜が怖い『身内に不幸がありまして』、遺産配分『北の館の殺人』、客人が欲しかった『山荘秘聞』、主人を慮る『玉野五十鈴の誉れ』、退部から『儚い羊たちの晩餐』どれも見事。『玉野五十鈴』はストーリ・セラーで読んだけれど再読の価値有。残酷でいてただ欲求に素直さに驚くべき手法と動機。期待通り。リンクは崩落する会「バベルの会」。2012/02/13

エンブレムT

216
『旧家』として名を馳せる上流階級に潜む、仄暗い狂気のようなものが伝わってくる連作短編集。読み終わってしみじみ感じるのが、タイトルと装丁の巧さ!です。まさに絶妙!!お嬢様や使用人の、非現実的な黒い日常にゾクゾクしつつもページをめくる手が止まりませんでした。『山荘秘聞』にはキレイに騙されましたw2010/03/27

がらは℃

214
暗黒面、全開という感じの短編集。ラスト一行の衝撃とあるように、物語の読者へ向けたミステリーだったのかなあ。ずきずき染み入る傷みを感じる読後感。2010/12/21

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