実録 死体農場

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093563819
  • NDC分類 498.94
  • Cコード C0098

出版社内容情報

コーンウェル『死体農場』は本当に実在した

パトリシア・コーンウェルの「検屍官」シリーズ『死体農場』のモデルになった法医学施設の実録ノンフィクション。正式名称、テネシー大学人類学研究施設。所長のビル・バスは、仲間内では冗談半分で「死体農場の市長 The Mayor of The Body Farm」と呼ばれている。ここでは、研究のために提供された死体をさまざまな条件の下にさらし―さまざまな温度下で、種々雑多な虫にたからせて、あらゆる死後損傷を死体に試み―研究している。いまでこそ推理小説や映画、テレビドラマであたりまえになっている法医学の先駆者が失敗談を交えて明かす内情は、推理ドラママニアだけでなく、一般の人にも興味を持って読める、肩の凝らない読み物に仕上がっている。

内容説明

死者の声を聞くには、特別な才能がいる。著者のビル・バスは、アメリカ法人類学の伝説的存在だ。50年ほど前に法人類学の道に入りこみ、約25年前にテネシー大学の敷地内に死体研究の施設をつくった。そこでは、提供された死体をさまざまな条件の下にさらし―さまざまな温度下で、種々雑多な虫にたからせ、あらゆる死後損傷を死体に試み―研究している。だから彼は、「死体農場の市長」と呼ばれているのだ。

目次

ワシの子の骨
骨から学ぶ―法科学入門
よからぬ叔父
首なし死体事件
犯罪現場
死者の地―死体農場の誕生
虫の研究
発展と抗議
ふとっちょサムとキャデラック・ジョー
科学に根ざして
ズー・マン殺人事件
未知の場所
小説に描かれた死
さらなる発展と抗議
バーベキューパーティ
偶然ならぬ旅行者
残虐な受取人
灰は灰に

著者等紹介

バス,ビル[バス,ビル][Bass,Bill]
アメリカの伝説的な法人類学者。世界初の(そしておそらく世界唯一の)「死体農場」を創設した。FBIをはじめ、各州・市町村の殺人担当刑事に捜査協力をしている。数多くの教え子を育て、合衆国法廷で活躍する法医学者・人類学者の半数は彼の薫陶を得ていると言われている

ジェファーソン,ジョン[ジェファーソン,ジョン][Jefferson,Jon]
ベテランの科学ジャーナリスト、ドキュメンタリー制作者。ニューヨーク・タイムズ、ニューズウィーク、ポピュラーサイエンス等に寄稿し、多くの賞を受賞している

相原真理子[アイハラマリコ]
慶應義塾大学文学部英文科卒。英米の小説・ノンフィクションの翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばんだねいっぺい

36
恐ろしいタイトルだが、ある意味、実態に即している。これは、人の尊厳を回復するために必要な法医学の施設のことを言っている。この人は間違いを隠そうとしないし、それが新しい知恵となっているのが、素晴らしい。さらなる、科学捜査の発展が望まれる。最後の章のエピソードには、度肝を抜かれた。郵便物がとは時たま聞くが、腰が抜ける。2022/02/27

9rikaz00

4
上野先生は比較的新しい死体を診る仕事だが、腐敗が進むとそこからは人類学者の仕事になってくるのだなあ。言われてみるとたしかにぼくらは死体に出会うとすぐに手厚く弔ってしまい、そのまま置いておくとどうなっていくのかというのは知らなかった。2019/09/26

しんぷぅ

4
手を取ったのはたまたま見た奇抜なタイトルと暗い背表紙の為だったが、内容はいい意味で期待を裏切るものだった。法人類学者である著者の関わった事件に沿って、物言わぬ死者が語りうる様々な興味深い事柄について描かれる。時に冗談も交えるが基本的には科学者らしい率直な語り口には、同時に感情的になり過ぎすしかし確かに伝わってくる彼の優しさが感じられた。普通は内容からかけ離れたセンセーショナルな題目にあまり良い気はしないのだが、小説「死体農場」を知らない私がこの本を読む機会となった事を考えれば、それにも良い面があるようだ。2018/02/22

nemu108

4
とても好みの本でした。検死学者のエッセイ集、という軽い感じの書き口で読みやすかったです。検死についての技術の進歩や、弟子が育って行く過程が見えて楽しかった。2018/02/10

Ryokan

4
あとがきにもあったように私もこの『死体農場』というものを知ったのはパトリシア・コーンウェルの作品からだった。『死体は語る』の上野氏の著書もそうだったが死体からでもいろんなことが語られる、それをより詳しく聞き取ろうとするといろんな角度からの調査観察が必要であると思った。それがこういう形で実際に行われており、それが殺人やそれを断定する過程において役に立っているということはすばらしいことだと思う。ただやはり献体と言われても行われる実験を知ると人道的な面でなんとなくひっかかりがあるのは否めないかも…。2014/10/09

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