岩波文庫<br> 阿部一族 - 他二篇 (改版)

電子版価格 ¥440
  • 電書あり

岩波文庫
阿部一族 - 他二篇 (改版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 119p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003100561
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

『阿部一族』は殉死の問題を取り扱った作品で,封建制のもとでの武士道の意地が,人間性をぎりぎりにまで圧迫して,ついにはその破滅に至らせる経緯を,簡潔な迫力ある筆で描いた歴史小説の傑作.他に鴎外の初期歴史小説の代表作『興津弥五右衛門の遺書』『佐橋甚五郎』の二編を収める. (解説 斎藤茂吉)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

96
改行が少なく、活字がぎっしり詰まった文章で、おまけに難しい言葉が多く使ってある。読む前に逃げ出したくなるような文章だが、我慢して読み進めてみると明快で格調高い名文であることが分かってくる。『阿部一族』は文体が作品の内容によく合っている小説だ。自分の主君が病死した後に、殉死を選ぼうとする武士たちを描いている。愚かと言えば愚かなのだが、この律義さ真面目さが日本人の一面をよく表している。もちろん命を粗末にするのは間違いで、森鴎外もその点をこの小説でさりげなく訴えたかったのだろう。2018/01/05

安南

45
切腹好きを自認しているというのに、この作品の存在を忘れていた。読友さんのつぶやきから再読。ひとりの藩主の死に、いったい何人の侍が腹を切ったのか。次々に切る切る切る。忘れていたのも仕方ない。ここには、忠義としての殉死はなく、体面を保つためにに汲々とする武士達の姿があるばかり。官能性どころか浪漫も感傷もない。とはいえ、如何に馬鹿馬鹿しいことでも、お笑い種にすることはできない。乃木希典の殉死事件直後に執筆された作品。殉死についての鷗外の複雑な思いを感じた。2014/12/29

rena

39
森鴎外記念館で作家の平野啓一郎さんが、鴎外ファンですべて作品読んでいるそして、鴎外の作品には、自分ではどうしようもない運命に翻弄される人々が主人公となっている。阿部一族も細川藩主の忠利から1人だけ殉死が許されなかった老臣の話。昔は、お家の恥、面目をこの上なく失い、子孫への待遇も他の殉死の家来達と違って冷遇される。殉死を許さなかったお殿様は、弥一右衛門になんとなく好きくない何かを感じていた、これがドンドンと暗転していき終には、。。可哀そうだ。努力しても好かれない人今も此処彼処にいる気が。 2017/04/01

chanvesa

35
「阿部一族」は鮮烈である。君主側としては奉公する家来の世代交代制度としての理性的な側面(36頁)がある。一方、家来たちは主君の死に殉ずることが、武士道としての側面と、それに付随するある種の世間体として目に見えぬ強制のような非理性的な側面がある。鴎外はこの裂け目が気になったのではないだろうか?登場人物の大半が死んでいく。この展開において、弥一右衛門と権兵衛の親子のパーソナリティ、偏屈のDNAが、細川の殿様をかちんとさせ、悲劇の端緒になっている。個人があがらえない奔流としての歴史。冷静に書き切る鴎外の眼差し。2015/12/02

さきん

33
殉死がテーマの二編と器用過ぎての不器用なる主人公の作品が一編。江戸時代初期にして、戦国時代の気風が薄れ、儒教が武士社会に浸透したのは早いと思った。もし、モデルとなる話が史実であるとするならば。阿部一族は、改めて読んでみて、殉死には、単なる忠誠心のほかにも、家の体面、世間体、子々孫々の繁栄など打算的な面が大きいと思った。佐橋甚五郎は、いろいろと能力が高いが生きる目標を持たず、相手の気持ちを思いやることができず、信頼されない人生を送っている姿から、今の高学歴エリートを連想した。2016/12/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/448997

ご注意
リンク先のウェブサイトは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
リンク先のウェブサイトについては、「株式会社トリスタ」にご確認ください。