出版社内容情報
真の実在とは何か,善とは何か,宗教とは,神とは何か――.主観と客観が分かたれる前の「純粋経験」を手がかりに,人間存在に関する根本的な問いを考え抜いた西田幾多郎(1870-1945).東洋の伝統を踏まえ,西洋的思考の枠組自体をも考察対象とした本書は,以後百余年,日
内容説明
真の実在とは何か、善とは何か、いかに生きるべきか、真の宗教心とは―。主観と客観が分かたれる前の「純粋経験」を手がかりに、人間存在に関する根本の問いを考え抜いた西田幾多郎(一八七〇‐一九四五)。東洋の伝統を踏まえ、西洋的思考の枠組そのものを問題にした本書は、百年後の今日まで日本の哲学の座標軸であり続ける。
目次
第1編 純粋経験(純粋経験;思惟;意志;知的直観)
第2編 実在(考究の出立点;意識現象が唯一の実在である;実在の真景;真実在は常に同一の形式を有って居る;真実在の根本的方式;唯一実在;実在の分化発展;自然;精神;実在としての神)
第3編 善(行為;意志の自由;価値的研究;倫理学の諸説;善(活動説)
人格的善
善行為の動機(善の形式)
善行為の動機(善の内容)
完全なる善行)
第4編 宗教(宗教的要求;宗教の本質;神;神と世界;知と愛)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読書実践家
9
文字が大きく、髪質も良い本であった。我々の行動は意思によって起こるものである。当然といえば、当然。当たり前を突き詰めていくというのが哲学。哲学はその内容において、洋の東西を問わない対等のものだとするスタンスに共感。決して西洋におもねることがなく、しかし西洋哲学の成果を取り入れつつ芸術や宗教など、人間の根源的な学問領域に言及していく。読みやすい。一気に読める。著者の博学と生きた鼓動が伝わってくる。われわれの哲学は生命の表現だと主張する著者のアプローチは、具体的で明快そのもの。2015/08/12
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