出版社内容情報
腹心の部下を亡くした小玉は都に戻り、つかの間の平和なときを過ごしていた。丙との時間を大切にし、明慧と麺屋へ行き、書類仕事に明け暮れる。しかしそれは、嵐の前の静けさに過ぎなかった――。
内容説明
小玉の片腕だった復卿が戦死し、それぞれがその存在の大きさを感じていた。そんな中、文林が「俺のせいだ」と言った波紋は広がり、小玉の胸に泥のような澱を残す。しかし都に戻った小玉には、つかの間の平和な時間が訪れていた。家族の時間を大切にし、文林とけんかをしながら書類仕事に明け暮れ、ある運命の出会いを果たす。しかしそれは、嵐の前の静けさに過ぎなかった…。かつて明慧が「いずれ小玉を窮地に陥れるだろう」と予想した文林が片腕となり、小玉はさらなる高みへと上っていく―。
著者等紹介
雪村花菜[ユキムラカナ]
2014年、第二回富士見ラノベ文芸大賞にて、応募作『生生流転』が瑞々しい人物描写と軽妙な会話劇、緻密な舞台設定を高く評価され、金賞受賞。改題及び改稿した『紅霞後宮物語』で作家デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あっか
59
外伝もとうとう5巻に!(作者さん的にはこちらが実は本編的とのこと)小玉、将軍になるの巻。第零幕は正に小玉伝。本編の登場人物達の土台となる歴史が読めて嬉しい。今巻も色々な出来事があるけれど、そこまで大きな山場があると言うよりか復卿の死から静かに物語が進行する感じ。班将軍や王将軍と色々あったり泰や米中郎将が退職したり白夫人と運命の出会いを果たしたり!少し回りくどい感じはしたかな…それが良さでもあるけど。というか表紙右の人!清喜かと思ったらまさかの!!なんかスタイリッシュ過ぎない…?笑 とてもイケメンだけれど!2021/08/13
よっしー
36
なんやかんやで小玉が将軍となるまでのお話でした。皇帝としての文林にも頭を抱える事は多かったのですが、部下としての文林はもっと問題児ですね。こちらの方もどう展開するのか読めないですが、白夫人との出会いであったり、まだまだ子どもな丙が見れたりと、そんなホッコリがあるのでありがたいですね。人が亡くなるのは仕方ないとは言えど、ツラいものもあるので…もう少し明るい展開も入れて欲しいです!!2024/02/15
よっち
32
思わぬ襲撃により腹心の部下復卿を亡くした小玉。その死が周囲に波紋を投げかける中、喪中で官職を辞していたはずの文林が陣営にやってくる前日譚第五弾。復卿の死を悼む恋人・清喜を思いやる周囲の人々、喪中に文林がやってきた理由、戻ってからの日々と官から去りゆく人々、そして思ってもみなかった人事。戦後処理的なあれこれが続く中で、宮仕えをする面倒くささが垣間見えたり、日常的な描写がわりと多かった印象でしたけど、いろいろなめぐり合わせの末に軍で出世していくことになる小玉の数奇な運命を、改めて感じずにはいられませんでした。2021/07/15
はなりん
23
本編で出てこなくなった人達の顛末や最期が捕捉された巻。また、本編で関わる人達が過去で小玉が軍人としてどのように関わったかがわかる。本編の最初がそろそろ近づいて来たかな?でも、やっぱり本編より0幕の方が好きだなぁ。小玉も周りのキャラもこの頃の方が魅力的。2021/11/28
サン
20
紅霞後宮シリーズの零幕5巻。本編より前の物語。小玉が将軍となり、白夫人と出会う。しかし、作者としてはこの第零幕が本編らしい。なるほど、物語とは止まらず進んで繋がるものだからどちらも濃いな。2021/08/12