【紀伊國屋書店出版部】11月新刊『情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』

「情動、心、脳の理解は現在革新されつつある」
──では、われわれ人間の正体とは?

情動はこれまで〈理性のコントロールが及ばず自動的に引き起こされる反応〉と捉えられており、生まれつき組み込まれた"情動神経回路"があるーー悲しい出来事があると〈悲しみの神経回路〉が発動し、身体に変化を引き起こすーーとされていました。

しかし、心理学者リサ・フェルドマン・バレット が提唱する構成主義的情動理論 によれば、脳は反応するのではなく常に〈予測〉しており、各々が生きる過程の経験を基に自ら構築している情動概念(情動の経験や知覚を可能にする概念)が、情動を生み出しています。「怖れ」の概念がなければ怖れを経験できず、「悲しみ」の概念がなければ他者の悲しみを知覚できないーーこのアイデアが学術界に大きなインパクトを与え、波紋を広げています。

この理論によれば、空港でテロリストを見分けるための"顔や身体の動きに基づいて検知する技術"は無意味になり、理性や情動についての従来の固定観念に支配されている法廷での判断基準を見直す必要も生じます。さらにうつ病などの心の病や慢性疼痛へのアプローチも変わり、子育てに悩む親にもより良い方法が提案できます。 購買行動を読み解く行動経済学や、情動が蠢くインターネット空間を分析するメディア論にも新たな知見を与えるでしょう。

情動の仕組みを知ることで得られる心身の健康の向上など日常生活に役立つアイデアも綴られた本書は、英語圏で14万部、13か国で刊行の話題の一冊です。


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情動はこうしてつくられる 脳の隠れた働きと構成主義的情動理論
リサ・フェルドマン・バレット、高橋洋(翻訳家)
紀伊國屋書店 (2019/11 出版)
ISBN:9784314011693
価格:¥3,520(本体¥3,200)

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2019.11.08 出版