その後の70年に及ぶ人生よりはるかに面白いだろう。
──サミュエル・テイラー・コールリッジ
すべては受精卵というひとつの細胞から始まる。設計図もなく、現場監督も不在のなか、この直径0.1mmの小さな物質はいかにして人間になるのか? 遺伝子はどう働き、神経や血管、骨、筋肉はどのようにつくられるのか?
受精卵の細胞分裂から、各器官が次々に形成されて人体が完成するまでの過程、さらには成長し、生命が維持される仕組みまで――発生生物学、細胞や生体器官の組織工学的研究、コンピュータシミュレーションによる理論の検証など、さまざまなアプローチを駆使して、この果てしなき謎の解明に挑む。
発生の物語はわたしたち一人一人が経てきた道であり、わたしたち自身の物語だというのに、無味乾燥な論文でしか読めないというのはなんとも残念だ。そこで、どうにかして平易な本にまとめられないかと考えた。つまりこの本は、幸運にもこの分野で仕事をしている一科学者が、「私はどうやって生まれてきたのか」という子供じみた、しかし深淵なる問いに答えて、最新研究のハイライトをまとめようとした試みの書である。(本書より)
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https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0598825
人体はこうしてつくられる ひとつの細胞から始まったわたしたち
ジェイミ-・A.デイヴィス、橘明美
紀伊國屋書店 (2018/11 出版)
ISBN:9784314011648
価格:¥2,700(本体¥2,500)
東京都公安委員会 古物商許可番号 304366100901