内容説明
本書は、明治の文豪・森鴎外の箴言集を、現代文のカリスマ講師と知られる出口汪が超訳したものである。
鴎外は軍人、文学者として最高の地位を得た。
だが、鴎外は決して順風満帆な人生を送ったのではなかった。
体制派であると同時に、反体制的な発言を繰り返した。
恋愛と結婚、そして、離婚を経験した。
個人と家、個人と国家との問題に苦しみ、嫁姑問題でも煩悶した。
鴎外は何度も何度も挫折し、苦汁をなめた。
しかし、そのたびに強靱な意志力でそれを乗り越えていったのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大先生
9
森鴎外は「舞姫」や「高瀬舟」で有名な文豪であり、軍医として最高位の中将まで昇進したエリート。しかし、離婚や左遷を経験するなど、その人生は決して順風満帆とはいえないものだったようです。内容については処世術のようなものが多い印象ですが、夫婦の交際術などもあります。例えば「妻の前で同じ話題を繰り返すな」とか。私は妻に同じ話を何十回、何百回と繰り返していますが今のところ夫婦仲は良好です(笑)【危機に面したときの行動で、その人の心根が見透かされる。武士道の精神はここにあったのだが、今の人にその覚悟があるだろうか。】2025/03/15
Yuji Hamano
4
自分の中の鴎外にたいするイメージは変わった。ただ純粋にわかったこととして、この手の抜粋集はメッセージを読み取るのに逆にエネルギーが必要。ストーリーにメッセージが託されているものの方が本当の意味で理解できる。2014/06/10
芸術家くーまん843
3
森鴎外が小倉に左遷された前後に連載した、「知恵袋」「心頭語」、東京に転勤し、復権した翌年に連載した「慧語」の3つの箴言集をまとめて「超訳」したもの。超訳を担当したのは、「現代文のカリスマ」として知られる、出口汪さんです。出口氏の解説によると、「知恵袋」「心頭語」の原典は、1788年、フランス革命勃発の前年に刊行されたクニッゲの「交際法」。氏の推測によると、鴎外があえて原典を明らかにしなかったのは、<日本人に必要な箇所を選択し、時には自分の体験を交えたり原典にはない内容を書き加えたりして、思い切った修正・加2013/03/01
moru
1
どんな時代にも自己啓発はあるようですね。2013/05/17
yoko-chang
0
予備校時代にお世話になった現代文の出口先生の本。才能や能力や人格があるのに、交際が下手でなかなか世に評価されない、もったいない人もいるわけで。現代ほど自由もなく、人生に選択肢もない身分社会だった当時の処世術が今の世の中で読んでも学びが多い一冊。2017/03/14
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