内容説明
現代最高の知識人による唯一無二の日本論
「自然人」らしさ、ユーモア、独自の言語が日本の強みだ!――現代最高の知識人による、最も今日的で画期的な「日本文明論=地政学」。
世界の行く末は、第二次大戦の敗戦国である日独の選択にかかっている。対米追従を深めるドイツに対し、日本はどうするのか?
歴史的に「悪い選択」をしてきたドイツとは反対に、日本は「良い選択」をするだろうと歴史家として予測している。日本人の方がドイツ人よりもユーモアセンスがあるからだ。ユーモアセンスは、ドイツでは完全に破壊されてしまった。厳格なルター主義が、「人類の自然な能力」を根絶してしまったのだ。多くの戦争の原因となった「過剰な生真面目さ」がドイツを支配しているが、日本はそうではない。
日本には「この世の美しさと喜び」に幸せを感じる「自然人らしさ」が生き続けている。この点は、ドイツ――偉大な哲学者、物理学者、数学者を誇るが、硬直的で人間味に欠け、あまりに暗いドイツ――と大きく異なる。
「自然人」はドイツでは死滅した。それゆえにこの国はナチズムを生みだしたが、日本には「自然な人間」「人間らしい人間」が今も存在している。だからこそ、日本人は戦争を拒否できると私は信じる。
もし日本がワシントンの圧力に抵抗するなら、その抵抗自体が世界の平和にもたらす利益は測り知れない。米国に対する日本の独立は「平和」に貢献するだろう――「日本の対米自立」を世界が求めている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
127
トッドは原始的核家族制と共同体家族制の違いから人類と文明を語ってきたが、本書では各国の宗教や道徳的心情面にも注目し共通点や差異部分を考える。欧米ではプロテスタントの教育力が衰退し、モラル的にはニヒリズムな精神状態に陥っている。それ以前から宗教ゼロ社会に突入している日本人は民族的にユーモアのセンスを持ち、神を失いながらニヒリズムの脅威に晒されていないと見る。一方で権威主義国家は理性的な独裁を行い、選挙で不安定な民主国家より安定的に運営されているため、独自の核抑止力を備える絶対中立国家たるべきと主張するのだ。2026/10/30
ヒロ
65
日本、欧州、米国、それぞれの国を色々な視点から語られた内容で勉強になりました。宗教が米国にとってどれほど大事かとか、欧州とロシアの関係性等、挙げればキリがないですが、そんな中での日本はどのように国際社会の中で立ち振る舞うべきか、色々と考えさせられました。これから未来に向けて自分みたいな小さな個人でももっと考えていかないといけないと思いました。2026/10/31
tanikenn
3
トッドさんのヨミはきっと正しいと思う が、声を大にして周りに言うのは。。。かなり勇気がいる。伊藤貢氏 知りませんでしたが要チェックかと2026/10/11
みこ
2
日本が核保有すべき、という結論はちょっと受け入れがたいが、米国と少し距離をとる、というのは確かにそのとおりだと思われる 日本はとにかく軍事関係の話題がタブーすぎて、いまだに憲法の議論が出るだけで紛糾が起きるのもしばしばである しかし、少なからず近代国家において軍事力というのはその国の独自性を維持するためのパラメーターであり、それをアウトソーシングのような形にして今までやってこれたのはアメリカが強いのと、経済が伸びているという側面が強い その両方が揺らいでいるとき、自前で軍事力を持たないのはリスクでしかない2026/10/31
老齢症状進行中
2
トッドさんの本は、数冊目ですが、この本は一気読みでした。世界の主要国の現況解釈がよくわかりました。意外だったのは、イランが、教育に力を入れる「エンジニア大国」であり、少子化の進む成熟社会ということ。また中東戦争の主導者がイスラエルでなく米国というのも意外でした。日本について米国への過剰依存・追随をやめて、中国・ロシアも含めて対等につきあうべきという提言ですが、現在の日本の政府などには届かないのだろうな・・。オススメの一冊です。2026/11/01




