内容説明
第72回江戸川乱歩賞受賞
交錯する現在と過去。
勇気と誇りとやさしさの物語。
女子高生が自宅で銃殺され、その手には国連平和維持活動(PKO)に参加した自衛隊員に授与された名誉のメダルが握られていた。自衛隊を退官し、ピザ屋の配達員として働く本庄恵梨香は重要参考人として警察にマークされる。一方、恵梨香と同じ戦地でのトラウマから退官し、クスリに手を出し売人にまで落ちぶれた野島武のもとへ、ある日「人を殺せるクスリを用意できなか」と元地下アイドルだという南川杏子が訪ねてきたーー。
物語をぐいぐいと進めて読ませる力がある。
ーー有栖川有栖
自然なセリフに好感をもった。
ーー黒川博行
リアリティが最大の長所。
ーー貫井徳郎
多くの人に届いてほしいと願える作品です。
ーー湊かなえ
最初のトリガーが秀逸。
ーー横関大
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
190
毎年、江戸川乱歩賞受賞作を楽しみにしています。 著者三度目の正直での受賞だけあり、設定がユニークで最初は快調に飛ばしました。最期失速した感はありますが、デビュー作としては上々です。受賞後第一作も期待しています。 https://www.kodansha.co.jp/book/products/00004280982026/10/19
パトラッシュ
143
女子高生殺しとPKOとして派遣された自衛隊で起きたスキャンダル隠蔽が交差し、思いがけない事実が明るみになる。日本の女子高もアフリカの戦地もきれいごと優先のため、関係者は周囲の非難を恐れて臭いものに蓋をしてしまった。そのため必死に押し隠しても心身の腐敗が止まらず、傷みに耐えられなくなって爆発するまでのプロセスが強く伝わってくる。真実を追う刑事や元自衛官の活動は描かれるが、ミステリというよりも森村誠一風の社会小説に近い。薬物密売や学校内のいじめ蔓延、地下アイドルの闇など盛り沢山で、やや詰め込み過ぎの感がした。2026/10/09
いつでも母さん
136
【第72回江戸川乱歩賞受賞作品】選考委員の評は厳しくはあったけれど、まずはおめでとうございます。私は面白く読みました。終盤にちょっと都合が良すぎない?って感じたのはここだけの話。どこで事件の真相が交差するのだろうと読み進めました。女子高生のイジメの構図がキツくいや~な気持ちになってしまいました。信じられる人がいない中、ラスト南川杏子の孤独が埋まったのが嬉しかった。このまま明日を生きて行って欲しいと願い本を閉じた次第です。2026/10/09
drago @今「VIVANT」が面白い!
34
2026年江戸川乱歩賞。だが期待外れ。◆選考委員の選評を読むと、ほとんどの委員が欠点を指摘している。修正を前提に仕方なく授賞を決めたようだ。でも、出来が良くないのなら「該当者なし」とすべきなのでは? ◆自衛隊のPKO活動に絡む事件に、日本国内の高校でのイジメや薬物使用の問題を絡めようとしているのだが、どうにも接点が弱い。 ◆登場人物に感情移入できないし、無駄な心理描写も多い。そして何より、時間軸が滅茶苦茶。倒叙トリックで読者を騙そうとしたのだろうけど白けただけ。 ◆テーマは面白そうなんだけどな…。 ☆☆2026/10/26
RRR@読書中毒
28
江戸川乱歩賞受賞作品。 PKOで起きたある事案が複雑に絡み合い、というミステリー。戦場で引き金を引かれると、こちらも引き金を引かざるを得ない、正に地獄絵図です。このトラウマの描写とそれを脱するために違法薬物に手を染める、という展開に説得力があり。読み応えあるにはあるけれど、惜しい点があり。少女の姉のことについて、掘り下げるべきでした。これが引っ掛かったこと。読み応えは十分。2026/09/15




