- ホーム
- > 電子書籍
- > 趣味・生活(スポーツ/アウトドア)
内容説明
スポーツは人格を育て、勇気を与え、仲間をつなぎ、連帯感を高めて国民を元気づけると言われる。だが、本当にそうなのか。本書は、美談の陰で覆い隠されてきたスポーツ観を問い直し、「ほんとうのスポーツ」の姿を探っていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
102
スポーツを、人間形成の道具ではなく「凄い奴を決める実践」と捉えるのが著者の視点。それを踏まえて、道徳、競争、体育会系文化などが論じられ、アスリートのペルソナ化、感動、五輪などへと話題が広がる。スポーツに全く無知の私には、こんな論考をする価値があるかさえ分からない。決してアンチ・スポーツの積りはないが、ただ、野球や五輪の結果をこんなに毎日一所懸命に報道する必要があるのかと思う。新聞のスポーツ欄は、文化欄や読書欄と同じ頻度でいいではないか。野球なんか、一週間まとめて「巨人は4勝3敗でした」程度で十分では…。2026/09/24
よっち
24
人格を育て勇気を与え、仲間と連帯感を高め国民を元気づけると言われるスポーツは本当にそうなのか。美談で覆い隠した本来のスポーツ観を改めて問い直す1冊。人間は勝ち負けをはっきりさせたい、欲望をむき出しにする時間、すごいヤツを決める実践であると定義し、運動発表会のように順位を消すこと、失敗が強くする神話、体育会系の礼儀と上下関係は後付けと解体する著者が、五輪を平和の記号と銃のない戦争の重なりとして読み、暴言や体罰を正当化してきたデータを語る一方、観る側として何を見ているのかを疑わせる視点は正直だなと感じました。2026/09/27
takka@ゲーム×読書×映画×音楽
11
私はもともとスポーツにあまり関心がない。そんな中で見つけたのが、難波優輝『アンチ・スポーツの哲学』。タイトルに惹かれて購入した。 著者自身も「スポーツをするのは好きではないが、観るのは好き」という立場。そこから、スポーツをプレイヤーと観客に分けて考えたり、スポーツにまとわりつく人格形成や美徳といったものは本当に正しいのかを問い直したりしている。 著者はスポーツを普通の概念から分けるために〈スポーツ〉と称して「決められたルールの中ですごいやつを決めること」と定義している。2026/09/30
あさ
6
順位をつけない「運動発表会」は間違っているのか、というところから「失敗から学んで人は成長する」という神話を解体したり、人は「間柄」を求めているからアスリートを応援するのだと論じたり、わくわくするようなトピックがたくさんあっておもしろく読んだ。わたしの大嫌いなオリンピックについても批判しており、オリンピックは悲劇であるからこそ魅力的なのだという論考は興味深かった。2026/09/11
鴨長石
5
スポーツには功罪両方の面があり、「スポーツとはすごい奴を決めることである」という新しい定義を出発点としてスポーツを捉え直していく。試み自体は良いと思うが、どうしても「スポーツしない人」が身体感覚のないままに語っているという印象。「失敗から学ぶ」必要はないかもしれないが、個人的には「圧倒的に打ちのめされた経験」があるかないかで人生の深みを大きく左右すると思っているので、スポーツで負けることに意味はあると感じている。著者が挙げたスポーツの問題点自体はよく整理されているので、今後の参考にはなった。2026/08/25




