内容説明
多様な都市国家の思惑が交差する海峡地域。
その盟主、一ノ谷には「高い塔の魔法使い」と呼ばれる老人タイキがいた。
歳のころ六、七である孫娘マツリカは、早くに両親をなくし祖父のもとに身を寄せている。
ある日、タイキを中心に密談が開かれた。
海を隔てた潜在的敵国・ニザマとの海戦に備えてのものだった。
一方、マツリカは好物の海老饅頭の味が落ちたことを疑問に思い、その理由を解き明かそうとする。
国家の大計と幼女の我が儘が並行し、交錯していく……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
なつくさ
30
なつくさ的四大ファンタジーが一つ、図書館の魔女シリーズの第3弾。これは、起こらなかった第三次同盟市戦争の裏側と図書館の魔女としての片鱗を見せ始めたマツリカの幼少期の物語。権謀術数が渦巻く重厚な世界の中で、当代の図書館の番人タイキの真髄が明らかになる。マツリカの親の話とハルカゼの苦悩。ハルカゼがマツリカの側にいてくれて本当に良かった。ありがとうと言いたい。そして、幼少期のマツリカはまだ、知らない。信頼に足る仲間たちとの出会いを。心を、声を通わすひとりの少年との出会いがあることを。2026/08/24
チャーハン
9
以前は高田氏の難解な文章に苦戦していましたけど、今回はわりとスラスラ読めた(それでも理解度は7割程度 笑)「一ノ谷」「二ザマ」双方の交渉のやり取りが楽しめました。もし、あそこで戦争勃発していたら「図書館の魔女」の世界は全く別の話になっていたんよね〜。2026/09/07
ヒスイ
8
書店で目を引いたので、手に取り拝読させていただきました。高田大介さん手がけるこの図書館の魔女シリーズはこれが読むのは初めてです。「海老饅頭が不味い。」から始まった本作品。問題を解決するにあたって、主人公の女の子マツリカが本編でこれからどのような成長を遂げてるのか、ハルカゼとの関係、祖父との関係、未来での新しい登場人物たち、そして、これからお国はどうなっていくのかが楽しみです。ある意味エピソード0から楽しめたのはラッキーかもしれません。気になるので、これから本編を読まないといけませんね。2026/08/18
トミレン
5
このシリーズが私が読んだ全ての小説の中で最も好きだ。初めましての言葉の数々に溺れるのは本当に心地良いし、外交にしろ饅頭にしろ、問題の本質を浮き彫りにする過程も打つ手の一つひとつも、実に鮮やかで気持ちが良い。が、このシリーズで一番の見所はまさしく情緒の部分。「童心」というタイトルにこんなに重みがあるとは思わなかった。私が言い切るのは分不相応だけど、ハルカゼはきっと家からの役目よりもマツリカを大事にすると思うよ。ちいさくていじらしいマツリカが、早くキリンや護衛たちや“あの”キリヒトにも会えることを願う。2026/09/07
moon-shot
5
「図書館の魔女」第三作の文庫化。時間軸的には一番早期で、6歳のマツリカの物語です。どんなんかなと思ったら、予想通り空恐ろしい傲岸不遜の天才少女だった。祖父タイキの率いる「高い塔」が戦争抑止に全力を注いでいる最中に、マツリカは、不味くなった海老蒸し饅頭の味を取り戻すために暗躍!その外交秘術の尽くしかたが読んでて愉快ですけど、本書の本当のクライマックスはその先で、大人達を自由自在に振り回す彼女の寂しさが最後に一瞬姿を見せて、読者は胸キュンとするのでした。だからこのタイトルなのだ。ハルカゼ、マツリカを頼んだぜ。2026/08/25




