河出新書<br> 『オデュッセイア』入門

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河出新書
『オデュッセイア』入門

  • ISBN:9784309632056

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内容説明

世界最古の冒険叙事詩、『オデュッセイア』。知恵の英雄の奇想天外な放浪の旅路は、なぜひとびとを惹きつけるのか?その奥深い魅力と謎、張り巡らされた仕掛けを読み解く、入門書の決定版。

[目次]
はじめに──長い帰還の物語

 第一章 オデュッセウスという英雄

盲目の吟遊詩人、ホメロス/ 武力ではなく知恵の英雄/ 語り継がれるトロイ戦争伝承/ゼウスの双子たち/ 争いを招く女神の贈り物/ ギリシア最大の英雄、アキレウスの死/戦争終結と長い凱旋の始まり/ 普遍的な家族の神話/ 妻ペネロペイアと息子テレマコス/ 対比されるさまざまな「家族」

 第二章 受難の旅と復讐の物語

二四巻の物語/ 旅の始まりと甘美な島/ キュクロプスとの決闘と海神の呪い/ 風の島、人食い巨人の島/ 魔女キルケと冥界下り/ 異形と神による相次ぐ受難/ ニンフの島への漂着/ ついに故郷へ帰還/ イタケ島での父と子の再会/ 求婚者たちを一掃、妻との再会/ ホメロスの超絶技巧

 第三章 二四書の複雑な語り

二四の書、四一日間の出来事/ 第一書/ 第二書/ 第三書/ 第四書/ 第五書/ 三者の時間の流れ/ 第六書/ 第七書/ 第八書/ 第九書/ 第一〇書/ 第一一書/ 第一二書/ 前半と後半の折り返し/ 第一三書/ 第一四書/ 第一五書/ 第一六書/ 第一七書/ 第一八書/ 第一九書/ 第二〇書/ 第二一書/ 第二二書/ 第二三書/ 第二四書

 第四章 構成の巧みな仕掛け

構造の妙の四要素/ 1.円環と反復││折り返し構造/『イリアス』の折り返し構造/安定と変化の技法/ 2.時間と空間の同時多元進行/  による異次元効果/ 3.四書ごとのかたまり/ 4.各書内部での折り返し構造/ さまざまな物語手法の元祖

 第五章 物語としての魅力

主題の魅力/ ネガとポジ──愛人と求婚者たち/ トロイ側の家族/ 帰還後の物語──家族崩壊の危機/『テレゴノス物語』/ 英雄叙事詩にとっての家族/ 危険な冒険の魅力/英雄と武器/  と変装と大逆転劇/ 歴史を越える物語

 第六章 ギリシアとインドに共通する叙事

『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』の関係/ 共通する話素/『オデュッセイア』と『ナラ王物語』/ 海と陸地に分かれた物語

 第七章 世界各地への伝播

世界各地への伝播と影響/『アラビアン・ナイト(千一夜物語)』/ 「サイフ・アルムルークとバディーア・アルジャマールの物語」/ 日本への影響──『百合若大臣』/ 『御曹司島渡』/ 中央アジア英雄叙事詩への影響──『デデ・コルクトの書』/「アルパミシュ」/ どのように日本まで伝わったのか

 第八章 近代以降に見る系譜

近代以降の西洋文学への影響/ デフォー『ロビンソン・クルーソー』/「イムラヴァ」/スウィフト『ガリヴァー旅行記』/ ジョイス『ユリシーズ』/ 近代西洋における『オデュッセイア』の変容/ アーサー・C・クラーク原作+スタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』/ ヴィットリオ・デ・シーカ監督『ひまわり』/ 世界中にインスピレーションを与える

 補章 現代日本の『オデュッセイア』的物語 沖田瑞穂

1.『オデュッセイア』と『ダンまち』/ 『ダンまち』とは/『ダンまち』のヘスティアと神話のアテナ/ オデュッセウスとベルの「旅」と誘惑/ 終着と自己の確立/ 2.『オデュッセイア』と『十二国記』/ 陽子とオデュッセウスの旅/ 家族への想い/「王位」の回復と獲得/ 3.『無職転生──異世界行ったら本気だす』における家族離散と旅/ 新しい帰属の形を探して

おわりに──世界文学としての『オデュッセイア』
あとがき 沖田瑞穂
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

40
なんと豊かで壮大で面白い物語なのかと感心した。入り組んだ人間関係をジェノグラムを作りながら楽しく読んだ。Cノーラン監督の新作に大好きなJレグイザモが出演していると知り、楽しみで手に取った次第。オデュッセイア=ユリシーズなのか。それくらい無知でした、ハイ。2026/08/06

ぐうぐう

31
来月に日本公開を控えるクリストファー・ノーラン監督『オデュッセイア』への予習のために読む。なるほど、オデュッセウスの旅そのものの面白さに加え、折り返し構造や多元進行といった構成の巧みさが、長年に渡ってこの名作が魅了され続ける理由なのか。その後に、世界各地の物語に影響を与えたというのもよくわかる。正直、複雑な物語を要約にしたものを読んで理解するのは難しかったが、逆にノーランがどの部分に焦点を当てて映画にしたのか、俄然興味が増した。2026/08/25

とも

27
​ホメロスの『オデュッセイア』を読み解くためのガイド。ストーリー展開、構成の巧みさ、前日譚にあたる『イリアス』からの接続などを詳細に解説している。 3000年前の強い物語が、世界各地で形を変えて登場している。『ロビンソン・クルーソー』『シンドバッドの冒険』など。日本の室町時代の書物にもその類型が見られる。強すぎ。 そして『2001年宇宙の旅』までもがこの物語をベースにしているとは。驚き。 『オデュッセイア』は小説読みとして押さえておきたい、そのエッセンスが網羅されており読んで損はない一冊。2026/09/02

takka@ゲーム×読書×映画×音楽

12
この前読んだ『ギリシア神話物語』の最後に登場したことや、9月に公開されるクリストファー・ノーラン監督の映画『オデュッセイア』を楽しむために読了。ファンタジー物語の原点ともいえる『オデュッセイア』。この作品が長く親しまれてきた理由の一つが、英雄の冒険だけでなく「家族」を描いていることだというのが興味深かった。さらに、物語の真ん中を境に、前半と後半のエピソードが折り返すように対応しているという構成もすごい。ほかにも、インドの『ナラ王物語』との共通点や、日本の幸若舞『百合若大臣』へのつながり、 2026/08/10

おだまん

10
児童書だと伝わらない部分もあるのかな、と思って副読本として。面白い考察でした。やはり世界は繋がっているのだなと。十二国記まで出てくるとは。2026/08/27

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