内容説明
幼少期、研究者の伯父が住む不気味な村で過ごした夏休み。
伯父の家で目撃した奇妙な装置と、化け物の正体とは……(「此方より」)。
「首輪で繋がれた少女がいた」――虐待疑いの通報を受け児相職員が訪れたマンションの1室。
職員たちはそこで“1匹”の怪人と邂逅する……(「愛玩」)。
若くして死去したホラー短編の鬼才・小林泰三。
2026年は、「玩具修理者」での鮮烈デビューから30周年目にあたる。
これを記念して、単著未収録だった14編をこの1冊に一挙収録。
待ち望まれた“著者最新刊”(2026年7月現在)がここに!
解説・恒川光太郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
備忘録
34
ページ数以上のボリュームを感じる短編集 ホラーよりはSF寄りの印象だが、クトゥルーの要素等混ざり合い、SFとホラーの融合として楽しめる此方よりはとても面白かった 個人的に好きなのはΣシリーズの量子密室、端からみたら屁理屈の応酬の様なやり取りから、予想外の結末へと繋がり、とてもこのシリーズらしい作品。2026/08/02
ひさか
32
愛玩、メロスの疑念、掌の上の宇宙、量子密室、大いなる種族、二人を繋ぐ夢、強いAI、単純な形、最初の角逐、きらきらした小路、虹色の高速道路、自分霊、シミュレーション仮説、此方より、の14編を2026年7月角川ホラー文庫刊。レトロ調の不可思議さが際立つ「大いなる種族」が圧巻。ワトソン、ホームズ、モリアーティ、ルパンが登場し、小林さん流の二転三転する「最初の角遂」が秀逸。他いずれも楽しめるものばかりで幸せな読書体験だった。2026/09/11
くまちゃん
23
未収録短編集。このボリュームすごい!「玩具修理者」でハマり以後読み続けています。小説の中でSFというジャンルが得意ではないので大丈夫かな?って思いながら読むのですが、マニアな会話の中でもコミカルな部分も多く読みやすい。今回もホラー、SF、推理といろいろでしたがどれも面白かったです。特に「自分霊」と「此方より」が好き。2026/10/03
Porco
23
早くして亡くなった著者の最新刊という響きが、もうホラーというジャンルっぽいものを感じる。クトゥルフ,童話,SF,Σ,天体物理学, 肉肉しい残酷さと、収録されている作品のどれもが小林泰三という作家の作品に触れてきた身には、読んできた作品を思い出す懐かしさもあった。「イスの大いなる種族」ZERO と言ってもいい、クトゥルフ神話という架空神話体形のジャンルにふさわしい総決算作品【大いなる種族】や、残酷だけじゃない『海を見る人』のようなハートフルな作品【虹色の高速道路】がとてもいい読後感を感じた。2026/08/09
いづもげ
20
小林泰三さんの未収録短編集。14篇収録で大変ありがたく読ませていただきました(ジャンルはSFが多かった感じです)。お気に入りは「量子密室」「大いなる種族」「最初の角逐」。とりわけ『大いなる種族』では、あの『酔歩する男』で描かれていた、えぐいタイムトラベル理論に再び出会えるとは思っておらず、大興奮。着地もバッチリ決まって、これは最高傑作。総じて非常に満足感のある一冊でした。2026/10/03




