内容説明
無からは何も生まれず,何ものも無にはかえらない.自然現象から人間の活動まで,森羅万象を原子と空虚によって説明したローマ共和政末期の長篇詩.合理的精神と詩の想像力をもって,死の恐怖からの解放を説いた.詳細な訳注と見出しを付した清新な翻訳が,読者を壮大な宇宙へと誘う.上には第三巻までを収録.(全二冊)
目次
凡 例
第一巻
序 詞
一般原理――物体と空虚の存在
原子の充実性,不可分割性,不滅性
敵対する理論の論駁
無限の宇宙
第二巻
序 詞
原子の運動
原子の形
原子と感覚的性質
無限宇宙と複数世界
第三巻
序 詞
魂の本性と構造
魂は死すべきものである
死を恐れることの愚かさ
訳 注
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
塩崎ツトム
13
末尾の注釈と交互に読んだから上巻だけでもえらく時間がかかった。魂のありか、原子で成る世界には死後の世界は存在せず、あなたを形作る元素は次世代のパーツとなるために分解され、そこに死者の魂の居場所はない。しかしそこにも、人生の意味や救いを求めることはできる。2026/07/28
荏苒 byn
1
新訳でテーマごとの見出しが加えられた。師匠のエピクロス思想の科学的部分が韻文化という認識だったが、解説によると「エピクロスは詩や音楽や幾何学や数学はよく生きることに無関係と見做した」。印象的な第三巻で魂は身体とともに死すべきいう論証が進む。その後のキリスト教とは両立しないから1417年迄寝ていたのは無理もない。この点は般若心経の人間が実体ではなく空である認識に通じる。モンテーニュが149回引用したくらいで、その合理的思考は不朽のモノ。2026/08/11




