階級と「私たち」のゆくえ

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階級と「私たち」のゆくえ

  • ISBN:9784845923090

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内容説明

分断された社会で、「私たち」は成り立つのか?
イギリス映画が描く階級の物語から、新しい連帯のかたちを探る。

排外主義、新自由主義、ケア労働……。それらと結びつく、令和の日本ではもはや他人事でなくなった「階級」や「サッチャリズム」の問題を、映画や文学から学べる必読書。冴えわたる批評に刮目した。――小川公代(英米文学者)

階級ではなく格差という言葉が選ばれることの多い日本社会。格差という言葉が選ばれるとき、何が隠蔽されているのか? 「階級先進国」イギリスの映画および文学を読み解いていくことで、格差が隠すもの、そして階級のまだ見ぬ可能性を探る。

本書は階級を軸に、イギリスの近・現代史や、現在の新自由主義経済下の社会を批判的に捉え、労働や家族、成長(観)、ギグ・エコノミーなどさまざまな変化や問題を浮き彫りにする。そして、日本の作品や社会状況とも比較しながら論を展開することによって、現在日本において「私たち」を作り出す萌芽を見出していく。

ケン・ローチ作品をはじめとするイギリス映画だけでなく、19世紀の古典『大いなる遺産』や作者の死後発表された『モーリス』など、多彩なイギリス文学も扱う本書。階級についての思考を深めるだけでなく、新しい視点からイギリス映画や文学を楽しむための一冊となっている。

【本書で扱う主な作品】
『キングスマン』『わたしは、ダニエル・ブレイク』『ジェイン・エア』『大いなる遺産』『リトル・ダンサー』『さらば青春の光』『モーリス』『トレインスポッティング』『ケス』『家族を想うとき』『サンドラの小さな家』『パレードへようこそ』『オールド・オーク』『万引き家族』『あのこは貴族』『パラサイト 半地下の家族』『バーニング 劇場版』『ノマドランド』『パブリック 図書館の奇跡』ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

msykst

12
著者への興味から読んだ。階級文化の解体ってサッチャリズムのせいなんでしょ、くらいの雑な認識しかなかったのだけど、それが19世紀からの脈々とした流れの中(先)に位置づけられていてとても勉強になった。理論的な話がとても分かりやすく、色々な前提が整理されて良かった。2026/05/11

めめほめ

3
イギリスを中心に階級の謎を映画を用いて解説している本です。ほうと膝を打ったり、ギョッとしたりしたのは教養小説の成長は個人の階級の移動を伴っている、かつては人間の成長は階級の上昇だといういう成長観だった、パンクムーブメントとポストパンクは、労働者階級的な反抗の文化が、中流階級のファッションとして横領されたともいえる、多文化主義や他者への寛容が、中流階級にとって意識の高いものとなって階級に紐付くものとなっている、など。2026/08/25

mari

0
後半は章の繋がりが私にはわからなくなった。前半は章同士の繋がりがわかりやすく、イギリスでの社会の動きとそれに伴う階級への認識の変化が語られていて興味深かった。2026/09/15

えいとうっど

0
極めて個人的なお気に入り度合い:★★★☆☆3点 働き始めた頃から、自分は生涯を労働者として生きようと思っていた。階級と思ったことはないが、収入によって格差はあるし、分断は存在する。映画のように連帯することは簡単ではない。2026/08/11

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