内容説明
第169回直木賞受賞作
幕府立ち上げの両輪が決別。その時尊氏は?
室町幕府を支える足利直義と高師直がついに決裂。それぞれを支持する大名たちが入り乱れて争う中、肝心の尊氏はなすすべもなかった。
解説=橘玲
単行本 2023年5月 文藝春秋刊
文庫版 2026年4月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
41
下巻読了。なるほど幕府を開いたらすぐに纏まる訳も無く、その後安定するまでには紆余曲折があると言う事ね。まあ武士が武士らしい時代だったのでしょうが、とにかく争うししつこくて諦めない。誰が敵で味方かはコロコロ変わるが、大事な御家の事や親族の恨みは忘れない。と言う訳で合戦(お家騒動?)ばかりで大変な下巻でしたので、足利兄弟がまだ若くて力を合わせて天下を目指していた上巻の方が青春物語で楽しかったかも知れません。とは言え全編を通して素晴らしい力作で、史実を押さえながら創作で埋めた物語には感服です。とても良かった。2026/09/08
けんけんだ
21
上巻で極楽将軍だったよね。弟「直義」ともその頃は争ったりもするが最後はそうくるか。ラスト数十ページで直木賞っていうのがわかる!歴史の中でこの物語か~2026/05/01
ゆうすけ
17
文庫化で上下巻になりましたが、それにしても中々のボリュームでした。せっかく幕府ができたのだし、あとは仲良くすればいいじゃないかと後世の人間から思うのですがそうは簡単にはいかないのが人間の心理。尊氏の無欲さは結果としては、マイナスになったのかもしれないけど、他の武将だったらそもそも室町幕府って成立していなかったのかもしれないので悩ましいです。やっぱり江戸幕府と家康って本当に歴史にちゃんと学んでいて改めてすごいと思った。師直と直義が結局最後はハッピーになっていないのが何とも言えず悲しい結末ではある。2026/05/13
qwer0987
12
実務家の直義と師直は後醍醐天皇を追い落とし幕府を創立する。師直のイメージは陰険で直義と対立していた武将というものだけど、それとは異なり本作では優秀な吏僚で主君筋の直義と協力しながら困難な事業を立ち上げていっており目を引く。しかし幕府成立以降は事実を追うことに終始していて物語としてのダイナミズムに乏しい。とは言え当人たちが意図しないまま派閥の抗争のボスとして担ぎ上げられる過程は悲しくもあった。尊氏はそれに対し無力だが、二人の実権が失われる中でようやく自覚的に権力者として行動する。そんな流れが読み応えあった2026/07/09
tomo
11
☆☆☆☆ 4.3 鎌倉時代→室町時代と単純に繋がるわけではなく、あいだに後醍醐天皇の“建武の新政”がどう室町時代に繋がっていくか、また皇室の南北朝分断の経緯もわかった。室町時代が正式に発足してからも、後醍醐天皇一派の残党が反乱を起こしたりと新政権が不安定過ぎる。室町新政権発足までは楽しく読めたけど、その後は敵味方入り乱れて全然落ち着かない…最終的に尊氏は覚醒するけど、周りの人間たちが徐々に舞台から去っていきこの時代は仕方ないとはいえ、やはりもの悲しい。2026/08/11




