内容説明
東日本大震災の時と同じ過ちを繰り返さないために。
日本で暮らす以上、災害を避けることはできない。
だからこそ問われるのは、起きたあとにどう対応するかではなく、どこまで備えを仕組みにできているかである。
2024年1月1日。能登半島地震において、避難所環境の劣化、初動対応の遅れ、医療・行政の連携不全が露呈した。それは東日本大震災で経験した惨状の「再現」にほかならない。
なぜ過去の震災の教訓がありながら、日本は変われないのか。
本書の著者は、石巻赤十字病院の救急部長として2011年東日本大震災では最前線に立ち、災害拠点病院の指揮を担った医師である。発災直後、病院は事前に策定された災害対策マニュアルと訓練によって機能し、多くの命を救うことができた。
本書が描くのは、震災の記録ではない。災害医療の現場から見えてきた「次に備えるための課題」である。
初動の遅れが何を生むのか。
避難所で本当に必要な支援とは何か。
医療と行政は、平時からどのように連携できるのか。
災害は避けられない。だが、失われる命を減らすことはできる。
そのために社会として何を準備すべきかを、本書は強く問いかけている。
目次
はじめに
第1章
2024年1月1日―― 能登半島地震の報道に思う
13年間で変わったこと、変われなかったこと
突然、能登半島を襲った巨大地震
再現されたあの日の惨状
救護班が見た被災地
目を見張る台湾の初動の速さ
東日本大震災から13年で変わったこと、変われなかったこと
生死を分かつ「72時間の壁」
「失わずに済んだ命」を二度と生まないために
「災害大国」だからこそ、できること・やらなければならないことがある
第2章
震災対策に遅れや妥協があってはならない
一人でも多くの人を救うために、個人・医療機関・行政にできる準備
日常が失われるとき
平時にできないことは災害時にもできない
洪水で人が死ぬということ
医療者が自走できる組織づくり
後手に回った行政と自衛隊
交通は寸断、インフラ、通信もストップ
闇のなか、病院の明かりが唯一の光
「医療施設」の限界
被災者はつらい、スタッフもつらい
明かりを灯し続ける「覚悟」
正しく恐れ、正しく備える
初動ではスピードが命
行政とのネットワークづくりの重要性
巨大地震発生時に備える必要性
備蓄は食も水も
第3章
物資だけでなく心のケアも欠かせない
避難所の適切な運営、避難者に本当に必要な支援
避難所がただの「場所」になっていないか
水不足を乗り切るために
宝の持ち腐れで衛生環境が悪化
どうやって処方薬を手に入れるのか
避難所トリアージで、できる支援を見つけ出す
災害時には「お役所仕事」と「評論家」はいらない
勘違いするボランティア
災害取材におけるメディアの功罪
国家プロジェクトの精鋭軍団DMATの舌打ち
「石巻圏合同救護チーム」からの提言
要介護者や透析患者などの災害時支援体制
「物」も「心」も大切にケアしていく
これからの新エリアとライン
第4章
避難所を出ても「被災」は終わらない……
被災者が日常へ帰り、生きる力を取り戻すために必要なこと
能登の朝市、早期復活の真意
復興のシンボルが勇気をくれる
心のケアとDPAT
「復興」と「復旧」
避難所を出るまでが避難ではない
被災地域に住み続ける難しさ
被災者と国・自治体の意識のギャップをどう埋めるか
第5章
過去の経験を活かし
〝世界一災害に強い国〟として新たな震災に備える
「モノの備え」と「心の備え」、「アタマの備え」を忘れない
将来の医療環境を維持するための備え
次世代につなぐ復興の歩み
災害大国で生きるために
おわりに
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