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内容説明
日本とフィリピンの歴史は合わせ鏡のようなところがある。戦国時代に来日したスペイン人宣教師のほとんどはフィリピンから来た。朝鮮出兵後の豊臣秀吉がフィリピンを狙うのではないかとスペインは警戒した。徳川幕府がキリシタン大名・高山右近を国外追放した頃にフィリピンにいた日本人は三千人を超えるという。独立を目指した英雄ホセ・リサールは明治の日本に憧れた。スペイン、米国の植民地として受けた苦難、日本軍政下での惨劇、そして戦後の政治腐敗……。しかしいま、その国力は躍動のさなかにある。とびきり社交的なフィリピン人気質の裏の壮絶な歴史に、私たちは何を学ぶことができるか。
目次
プロローグ/日本人のフィリピン・イメージ/長い植民地時代のなごり/フィリピン新人民軍に従軍/外国人労働者としての日本人/第一章 国民的英雄と日本人の恋人/フィリピンの英雄ホセ・リサール/万能の天才/多言語国家の民族差別/日本への羨望、フィリピンの境遇の無念さ/国民作家の誕生/日本人女性との出会い/日比の文化比較/恋と、日本文化の研究/末広鉄腸との邂逅/大英博物館に通い歴史書を執筆/盛り上がる民族自決運動/処刑/フィリピンの切手/第二章 豊臣秀吉とフィリピン/秀吉のフィリピン出兵計画/虚構のマゼラン/英雄ラプラプ像に見えるセブの誇り/マゼランをもてなしたセブ王/フィリピン人気質/マゼランの最期/マレー人奴隷エンリケの謎/サン・フェリペ号の積み荷/キリスト教布教と鉄砲の普及/戦国大名の武力を評価した宣教師/秀吉に緊張するフィリピン総督/スペインのアジア植民地戦略/運命を分けた相違点/策略を見破った秀吉/スペインとポルトガルの対立構造/呂宋壺と鹿皮/伴天連とキリシタンの取締り/帰れない祖国/第三章 ドゥテルテはなぜ米国を憎んだか──裏切られた比独立運動/強烈な麻薬戦争/ドゥテルテが突きつけようとした写真/反スペイン植民地闘争/反植民地闘争の先進性/フィリピンにとっての日清戦争/反植民地闘争と日本への期待/ボニファシオの処刑とアギナルド派の裏切り/米国に接近するフィリピン/アメリカとスペインの密議/米国の裏切り/日本に集まるアジア独立の革命家たち/同情とリアリズムの間/比米戦争/不運に次ぐ不運/フィリピン人も沸き立った日露戦争と日米密約/マッカーサー父子/ドゥテルテは何を突きつけようとしたのか/第四章 日本軍政下のフィリピンで何が起きたか/「バッキャロー」「コラコラ」「キンペイタイ」/逆転した日米の見方/米国の植民地政策/フィリピン人の中の米国とスペイン/米国に頼り切る社会/戦前に暮らした日本人のフィリピン観/太平洋戦争で両国関係は激変/日本支配の大義名分/日本占領下の大統領/フィリピンの抗日ゲリラ/太平洋戦争末期の地獄絵図/民間人虐殺の記憶/反日感情/対日感情の好転/寛容さの裏側/第五章 独裁者はなぜ奇跡の“無血革命”で追放されたか/アキノ暗殺事件/戒厳令下のジョーク/名家出身のアキノ/日本と抗日ゲリラとマルコス家/イメルダ・マルコスとコラソン・アキノ/自分の死に様を予言/ピープル・パワー革命がはじまる/発端は暗殺事件の真相究明委員会/幕引きをはかるマルコス/大統領一族の蓄財/反社勢力に頼った大統領選挙/エンリレ国防相とラモス参謀次長のクーデター/カトリックの協力/テレビの攻防/反大統領勢力の勝利/二人の大統領/マルコスの亡命/縁故社会の弊害/変わらないフィリピン/エピローグ/植民地住民の生き残るすべ/土着化と変容/赦しの教え/人間関係の力/情の世界に生きるフィリピン人/あとがき/主要参考文献(単行本のみ)
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