内容説明
《病は気から》の背後にある、脳と免疫の〈対話〉の仕組みが見えてきた。心と身体の垣根をなくす、神経免疫研究の最新の発見を解説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
86
今年のマイベスト候補。脳と免疫に関する最新の知見から、デカルト以来西洋医学が基礎として来た心身二元論が覆される程の論点が示される。人間は、脳・免疫系・腸のマイクロバイオーム、つまり心と身体と微生物の3つからなる体制を有している。第Ⅰ部では心と免疫系との最近の発見を紹介し、第Ⅱ部ではそれらの防御システムが崩れた状態を紹介し、第Ⅲ部にて心身の健康を増進する具体的な方法を紹介している。食物繊維と発酵食品は、腸の微生物を育てる肥料となる。前著2作品も素晴らしい内容であったが、本作品は知的好奇心を更に刺激する。2026/04/13
たま
78
モンティ・ライマンさんの著書は『皮膚、人間のすべてを語る』に次ぎ2冊目。一般向けに噛み砕いて書かれているが内容は脳と免疫系の相関性に関する最近の研究の紹介で歯ごたえがあった。帯には「今世紀に入り、脳と免疫系の〈対話〉のしくみが見えてきた。免疫学の世紀の『心身一元』の医科学を切りひらく研究最前線」とある。みすず書房の本で索引と文献つきの丁寧なつくり、そして最後に東北大学の佐々木拓哉さんによる解説が付いており、短いが分かりやすく参考になる。2026/06/05
haruka
30
脳は、こころの痛みを体の「炎症」として理解する。心の炎症を鎮めるために免疫が暴走し、さまざまな疾患をひき起こす。 反対に、体の炎症が心に鬱などの精神疾患を起こすこともある。2010年代以降、これまで統合失調症や双極性障害と診断されてきた多くの人が、実は自己免疫性脳炎だったと急速に判明しているというのも驚き。 心は、体から切り離されて自由に動かせる魂のような存在ではなく、全体情報のひとつであり、心(脳)・身体(免疫)・腸(マイクロバイオーム)は一体となり影響を及ぼしあう。かなり丁寧な検証で、おもしろかった!2026/05/08
楽駿@新潮部
21
品川図書館本。相方が読んでいて、気になって読了。因果関係は解らないけれど、母乳が大事だと言われてきたわけの言語化とか、身体的な体調が悪いと、気分も落ち込んでしまう事の因果関係とかを、文系人間の私にも解るように解説してもらった気がする。今より、自然と人間が近い距離で生活していた頃、今よりもずっと、死がもっと身近だったからこそ、感覚的に知っていた事が、解明され始めている。脳は、自身を守ろうとするけれど、その記憶ゆえの誤作動を起こす事も多い。そして身体の中の微生物により、守りもするし、自分自身を傷つけたりもする2026/08/18
Shori
7
ライマン先生3冊目。著者の真摯で丁寧な書き振りに敬意。健康、免疫に対する考え方が大きく変わった。脳-免疫系-マイクロバイオームの三者バランス(車輪に例えられる)で成り立つ。心の不調が身体に影響することは実体験としても納得。逆もあり、また腸内微生物の影響がここまで大きいことが研究されているとは。最後のメッセージが、食べる(多様な植物繊維質が特に大事)、遊ぶ(運動を楽しむ)、好きになる(他者も、自分も)。できることから始めてみよう。2026/07/15




