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内容説明
「正直の頭(こうべ)に神宿る」「苦しいときの神だのみ」「触らぬ神に祟(たた)りなし」「お客様は神さまです」……さまざまな慣用表現に半ば自然に出てくる、日本人の神意識の根っこやみなもと。それは、遠くどのあたりから発し、人々のどんな思いや願いに根ざしているのか。古事記・日本書紀・風土記などのいわゆる初期文献から、王朝の日記、物語、歌謡や古辞書、延喜式などの漢文資料まで、神々をめぐる多様な言葉の世界に、この国のカミとヒトの関係の原景を探っていく。
目次
はじめに〈慣用句の中のカミ〉
I ナル神とウム神
1 古事記の神代語り
2 日本書紀の神代編成意識
3 アマテラス以降の人身神――ウケヒという神事
4 ヤホヨロヅの神とは何だったか
5 神々のまつられ方――神楽歌の神まつり
II カミ、ヒトになり、ヒト、カミとなる
6 大国主神をめぐる神語り
7 神々の「ウツシオミ(現身)」
8 ウカ神と別天の天女
9 カミ、ヒトを求婚う
10 神の坐所〈ヤシロ・ミヤ、ホコラ〉と家形埴輪
III 古代社会の多神信心
11 外来思想の導入と古道(巫術)の排除
12 「神社」という言葉と延喜式「神名帳」
13 和名抄「神霊類」と、タマとオニ
14 生身のカミ〈ホトケ〉、「観音」と「地蔵」
15 「成仏」を願う人々
16 もの詣での盛行と巫覡((ふげき))の活動
付 「信」の翻訳語〈ウク・タノム・マカス〉と「信ず」の成立まで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
59
原始日本語の姿から類推される古代日本の社会や人々の生活の関心があり、古代の文献の博捜の末に展開される木村先生の本は、どれも面白い。本書もその例にもれず、「成るカミ」と「生むカミ」の違い、「家」と「屋」はほぼ同義語であるのに、「屋」は「家」に比べて熟語力が高く、現代でも多くの新たな熟語を生んでいる等々、一語の解釈はささやかであるが、そこから様々に考えを深めていく過程に興味を惹かれる。他にも、本書で多く取り上げられているカミと仏について、「成仏」とは言うものの「成神」はないとか、日本語の奥の深さを感じさせる。2026/02/27
よっち
24
古事記・日本書紀・風土記などから漢文資料まで、神々をめぐる多様な言葉の世界に、この国のカミとヒトの関係の原景を探る1冊。日常の慣用句から日本独特の「多神信心」の痕跡を見出す著者が、神は祭儀で一時的に招かれ、去る来訪者であり常住しないもので、カミとヒトの境界は曖昧であり、婚姻や贈与の循環を通じて繋がり、日本人の信仰は教義や制度ではなく、言語と身体に染みついた委託の心性だとしていて、言語から迫るアプローチから神道の柔軟さ、非排他性が現代まで続く島国的心性、日本文化の多層性を読み解いていく興味深い1冊でしたね。2026/03/21
coldsurgeon
7
神という言葉に、日本独特の信仰的心情があることがわかる。多神教といっても、キリスト教のキリストが複数存在するというわけではなく、古の時代に人々のお生活基盤を作ることに貢献したような人物を、神としてその事績をたたえつたえようとしたことが、多かったのだと思う。日本人の信じるという考え方は、「まかす」「たのむ」という意味が元になっており、「おまかせ文化」はそれが今に形として残る者だろう。複数の神さまや複数の仏さまに囲まれ、お任せして過ごしていこうという姿勢があるのかもしれない。2026/03/19
わ!
6
面白かったです。文献をもとに、日本の古代からの信仰に関する歴史をながめる.と書くと、記紀などを中心に日本の神道のかたちと、仏教への傾倒などを書いているのだろう…と思って読み始めたのです。ある意味読み通りではあるのですが、テキストの読み方が、民俗学や宗教学とはまるで違って、テキストに書かれている漢字の種類や、おそらく当時この様に発音したであろう発音などにこだわって掘り下げられます。なんだか同じ路線を走っているのに、車窓から見える風景がまるで異なっている様な不思議な感覚にとらわれる一冊でした。2026/02/22
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